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 ☆Topics-2006年1月
青葉区小中高生ミュージカル 2005

 

 三崎漁港の北、油壺マリンパークの近くに小網代(こあじろ)湾という静かな港がある。江戸時代(風待ち港)として賑わったその港の奥に不思議な、そして懐かしい「森」は残されていた。

 2006年1月に上演される青葉小中高生ミュージカルの出演者によるフィールドワークに同行した私は、こども達と一緒に、その不思議の「森」に足を踏み入れたのです。

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 11月6日、日曜。青葉台からバスに乗って、こどもたちと一緒に「小網代の森」をめざしました。昨日は徹夜。睡眠不足でついウトウト。目覚めた時には、バスは小網代に到着していました。慌ててバスの中で長靴に履き替えます。

 バスを降り、「小網代の森を守る会」のスタッフの方と合流。まずは法務局の敷地でスタッフの方の説明を聞きます。法務局のある高台から見下ろすと、鬱蒼とした小網代の森がはるか彼方まで続き、その向こうに湾が見えました。思った以上に広大な森です。

「え〜っ、あんなに遠いの〜」小学生から声が上がりました。大人の自分でも遠いと感じるのだから子供なら、尚更でしょう。 

 森に入るにあたって、いくつかの注意事項を守らなければなりません。

@森全体が私有地なので歩きにくくても川沿いの道の踏み跡に沿って歩くこと。

Aゴミはすべて持ち帰る。

B動植物の採集はしない。

Cトイレは事前にすませておく等々。

諸注意を聞いてから、総勢28名は三班に分かれて出発しました。 それぞれに「守る会」の女性スタッフが一人付き添っています。

 小網代の森は「浦の川」という川の流域に沿っています。源流部から湾まで自然観察をしながら進むと、約2時間かかるそうです。足元の小川(浦の川)に沿って歩くのですが、時おりぬかるみに足を取られます。長靴を持参してくださいと言われた意味が分かりました。晴天続きの11月でこれですから、梅雨の時期はいったいどうなるのでしょう。  

見えなくなったモノ
 「ねぇねぇ!これ何ですか〜?」前方のほうで歓声があがりました。近くに行って子供達が指差す先を覗き込みますが、何も見えません。

 「ほら、ここだよ〜。見えないの〜?」

 目をこらすと葉っぱの上にバッタがいました。何というバッタか分かりませんが、、葉っぱとまったく同じ色。よく見つけられたものです。

 しばらく行くと、また大騒ぎ。今度は葉っぱの下に、ものすごく小さなナナフシがいました。長さは一センチもなく。一ミリの太さもありません。指を近づけると、慌てて動き出しました。それよりも驚いたのは、 またまた発見したのは同じ女の子。なぜ?

 クモ。虫の卵。カニの穴。進むたびにこども達はいろいろな発見をします。私も目を皿のようにして注意しながら歩いているのですが、なかなか見つけることができません。

  この夏に封切られた「妖怪大戦争」という映画のラストシーンを思い出しました。

  「子供の頃に見えていたモノ(妖怪)が、大人になると見えなくなる」

 そういえば、こういった森。昔は自分たちの周りに沢山ありました。木によじ登ったり、ぬかるみを裸足で歩いたり、木の実を採ったり、いろんな虫も見つけました。昔は見えていたのに。いつから見えなくなってしまったんだろう ?自然がどんどん離れて行ってしまいました。   

 いや、離れて行ったのは自分です。  

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 その後もあっちでキャーキャー、こっちでワーワー。藤の蔓にターザンのようにぶら下がったり、木登りをしたり、子供達にとっては、見るもの聞くもの、体験することがすべて新鮮なのでしょう。

 茅やススキの群生のむこうに、話には聞いていた「トトロのトンネル」がありました。道の両側からササが、覆いかぶさるようにトンネルを作っています。子供達はそのまま通れますが、大人は屈まなければなりません。しかも結構長い。

 小さくなってくぐり抜けると、メイやサツキになった気分です。トンネルの先に本当にトトロが待っていそうな不思議な空間にこども達・・・いや大人も大喜びでした。

 

私たちは知らない
 トンネルをくぐり抜け、坂を上ると、崖に空いた穴にはアカテガニが眠っていました。夏の大潮の夜、このアカテガニたちは産卵のため海に向かって集団で移動するそうです。自分でエラに水を送り、陸でも呼吸できるアカテガニは、水辺を離れて木の上や陸地で生活できるようになりました。昔は、日本中の海辺の谷や田畑にたくさん見かけたものです。

 潮の香りがしてきました。干潟の向こうに港が見えます。約2時間。総勢28名は、自然をタップリと満喫して、森の散策を終えたのでした。

 神奈川県の中に、しかもこんな身近に、こんなに素晴らしい自然が残っていたなんて全然知りませんでした。私たち大人が忘れてしまった森。子供達が初めて触れた森。長靴の泥は洗い落と せても、今日の体験は子供達の心にこびりついて離れることはないでしょう。

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 青葉小中高生ミュージカル『森の記憶・命の伝言』は来年1月に上演されます。演出の井上弘久さんに、今回のミュージカルのテーマについてお聞きしました。

「危機感だと思うんです。このまま、この地球は人間の住める星であり続けられるんだろうか?自分たちのまわりを取り囲んでいる自然をドンドン壊していってしまう。それではいけない。困るよ。という強い危機感。そんな貴重なメッセージがこの舞台には込められています」

 

 劇中に使われる歌「私たちは知らない」。本当に心に沁みます。稽古で歌っていた女の子の瞳に光るものが・・・私も思わず瞼が熱くなりました。                               


「そんな当たり前の幸福を  私たちは知らない」

 

横浜市青葉区小中高生ミュージカル

森の記憶・いのちの伝言

2006年1月28日(土)14時・18時
   29日(日)14時

メール/aobaku.musical-0088@ezweb.ne.jp


                                               (宮澤)

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