|
■ひろたりあん通信バックナンバー |
| 2006年10月号 |
| あなたに代わって習い事教室 ひろたりあん手習い騒動記 |
|
■第23回「水墨画」騒動の巻 水墨画と聞くと、こぼした涙でネズミを描いたという雪舟さんの逸話を思い出します。ひろたりあん通信編集部で、キャップや宮澤さんに虐げられ、夜人知れず涙をこぼす日々を送る荏田店担当の吉村と私、三野が、水墨画を体験するのはごく自然の成りゆきかもしれません。 指導をしていただくのは、水墨画「游々会」の講師、宗田玲子先生です。とは言っても、二人とも水墨画には全く縁の無い、正真正銘の素人で、本当に水墨画なんて描けるのだろうか…、先生の話を聞いているだけで緊張してきます。僕たちの緊張がマックスに達し、一瞬静寂の訪れた教室に、「ウフフフ」突然先生の笑い声「そんなに緊張しないでね」「はぁ…」
「今日は水墨画の初歩の初歩、基礎講座です。お二人にはイチゴを描いていただきます」
「そんなに水を入れたら駄目。それに水は海(硯の深い部分)には入れないこと。陸(硯の平らな部分)に水を数滴たらして、墨をゆっくり垂直に回すように磨るのよ」 次に調墨と言う準備をします。三枚の小皿を用意し、それぞれ色の濃さの違う、濃墨、中墨、淡墨の三種類を用意します。濃墨は、先ほど充分に磨った濃くて黒い墨のことで、それを絵皿の一つに筆で移します。もう一つの絵皿にも濃墨を移し、水を数滴たらして薄めれば中墨。最後の絵皿には中墨を取り、筆で移し、さらに水を数滴たらして淡くします。これが淡墨です。 さらに筆先の調墨をします。初めに筆全体に淡墨をよく染込ませ、皿の縁で余分な水分を落とします。次に中墨を筆先から三分の二まで、最後に濃墨を筆先から三分の一まで染込ませます。これで、筆先から濃墨、中墨、淡墨の三色の墨が付き、筆全体が黒のグラデーションになると筆の調墨が完成です。
これで準備が全て調い、いよいよイチゴを描く練習です。 「筆の形を利用して、筆を置くだけで描くやり方です。誰でも意外と簡単に出来る絵ですからね」「誰でも」の中には、僕たちもきっと含まれているのでしょうね、少し安心です。しか〜し!これがなかなか難しい。僕たちはやはり「誰でも」以外だったのでしょうか?筆の水分が多すぎて滲んでしまったり、筆の調墨がきちんと出来ていなかったため、上手くグラデーションが出なかったりで、また緊張が甦ります。
先生にアドバイスをいただき、二人ともお手本とにらめっこ。悪戦苦闘しながら何個もイチゴを描き続け、実の部分の練習が終了。本当にこれがイチゴに見えるだろうか…、ちょっと(かなり?)不安な二人です。「リラックスして楽しくやりましょうね」と先生の優しいお言葉。 さて次に、イチゴのヘタを描くのですが、今度は筆を置くだけでなく、しっかり描かなければいけません。描き方を工夫してイチゴの表情を変えていくのですが、これまた難しい。「どんなに上手く描いても、ヘタ〜!」な〜んて、僕のベタなおやじギャグに、場の緊張も少し解け、少しずつ筆の使い方にも慣れてきました。 仕上げにイチゴの模様のプツプツ感をだし、ようやく完成。なんとかイチゴに見えるような、見えないような…、まぁ、こんなものかな? 描きあげたイチゴを切り取り、別の紙に配置しながら、バランスに留意して構図を練ります。同じ高さや、同じ向きに並んでないか、空きのスペースを上手く利用しているか、いろいろ考えます。これをサンプルにして、一気に描きあげるのです。しかしもうこの段階でクタクタです。 いよいよ本番。よし!気合を入れるぞ!巨匠、雪舟さんが乗り移ったのつもりで、自分の描く絵に集中します。するとなんだかコツを掴んだような気がして、短時間で何個ものイチゴを描き終えることが出来ました。雪舟さんのおかげです。
最後に署名、それも堂々と裕史!初めに僕が完成。
吉村担当を見ると、ようやくイチゴが終了した様子。ところが、ここから予期せぬ展開が待っていました。その場にいた全員の視線が、いざ最後の署名をしようとする彼の筆先に集中したのです。すると見る見るうちに彼の表情が強張り、物凄い緊張状態。署名は「一行」、ところが筆先がブルブルと震えて書けません。一同、大爆笑。
r しかし、達成感と久々に味わう心地よい緊張感は、満ち足りた気持ちにさせてくれました。先生、ありがとうございました。 水墨画「游々会」
場所 長津田商店街事務所
連絡先 TEL.962-0470(宗田) |