■ひろたりあん通信バックナンバー

2006年12月号

あなたに代わって習い事教室 ひろたりあん手習い騒動記

■第25回「クラシックギター」騒動の巻
 『井桁ギター教室』

「クラシックギター? ああ『禁じられた遊び』ね」なんて、望月担当のようにたった一曲で全部ひっくるめちゃうのは、クラシックギターに対して失礼です。

もっとも「クラシックギター?さぞかしプレミアがつくんだろうな」と、はしたない勘違いする某編集者よりはマシですが…。

 少しでもギターをたしなんだことのある人なら(私、高川もフォークギターなら多少弾けます)、メロディーと伴奏の両方を一本のギターで演奏してしまうクラシックギターを「小さなオーケストラ」と別格の敬意を表すものです。

 フォークやロックの曲は、コード付きの歌集やバンドスコアを見て一人でもマスターできますが、クラシックの独学はかなりな困難が伴います。私もかつて根性で譜面を読み挑戦しましたが、それでも、つっかえながらなら弾ける曲が二、三あるというレベルで、なかなかそこから先に進めません。教室で習えばいいのでしょうが、基本にやかましく、退屈な練習ばかりさせられるというイメージがあって、二の足を踏んでいました。

 そんな私に、ギター教室の体験指令が下されましたが、楽しみと、長年にわたる私の徒手空拳を否定されるのではという恐怖心とが、相半ばの心境でした。

 訪れたのは青葉台にある「井桁ギター教室」です。先生は井桁典子さん、ギターを弾く前にコーヒーを飲みながら少し雑談しました。先生が女性ってこともあるのでしょうか、アットホームな雰囲気に緊張が解けていきます。

「じゃあ、できる曲を弾いてみてください」

 久々に握るギターに少し戸惑いながら「ロマンス(禁じられた遊び)」をつっかえつつもなんとか完奏。「最近弾いてなかったので」という弁明には少し見栄が混じっています。実は昔もこの程度でしか弾けませんでした。でも「独学でここまで弾ける人はなかなかいませんよ」と先生は誉め上手です。おだてられるとつい調子に乗る悪いくせが私にはあります。

「実は『モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲(ソル作曲)』が弾きたいんです」

昔練習したのですが、何ヵ所かどうしてもうまくできなくて…。

「じゃあ今日は、その曲で練習しましょう」

 かなり経験が必要な曲なのに、あっさりと了解してもらい私のギター小僧魂に火がつきました。でもやはり、いつものところでつっかえてしまいます。

 すると先生は、別室から頭蓋骨と背骨の模型を持って来ました。ギター教室が一気に医学教室に早変わり? これには撮影の望月担当もビックリ。

「手を動かす神経は首から出ています」やっぱり医学講義?

 でも先生の次の言葉に目からウロコが落ちました。「頭は重いですから頭が安定する姿勢をまず取りましょう。そうしないと首に力がかかって、手につながる神経を圧迫するのよ」

 私は左の指の位置を見るためにギターに覆い被さるような姿勢を取っていたようです。そのせいで指の動きがぎこちなくなるのか…。

「まず背骨の上に頭がしっかり安定して乗っている姿勢を意識してみてね、そして頭を動かしたいなら水平方向に回して動かすようにすれば、手の動きにも影響しないし楽に演奏できますよ」

 なるほどこれなら長時間でも弾き続けられそうな感じです。 

 姿勢が直ったところでもう一度弾いてみましたが、しかしあまり上手くなったとは感じられず、リズムが崩れたままです。

「強く弾こうと思っていないですか?」だって、強い音を出す時は、強く弾くんじゃ…。

「音の強弱は力の強弱ではないんですよ」

「?」

「弦に押し当てた指を引く早さが違うんです」と見本を見せてくれる先生。

またまた目からウロコが落ちる思いです(私の目にはあと何枚ウロコが残っているのでしょうか)。 しかしそこに注意してもまだリズムがおぼつきません。

「両方の手に力を入れようとしないで、右手の動きに左手を合わせる感じでやってみましょう」

 そこを意識すると、多少ぎこちなくはありますが、かなりいい感じで弾くことができました。

「『間違えなくて良かったね』って言われるより、『間違えたけどいい演奏だったね』って言われる方がいいでしょう? それは音色を決める右手の動き次第なんですよ」

 私の目からもう一枚ウロコが落ちたのは言うまでもありません。

 そして最後に、この私の生涯の課題曲『モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲』を通しで弾いてくださいました。

 私は先生のサービス精神に、ただただ感激。望月担当も撮影しながら、思わず「うわっ、すごい!」これで彼も「クラシックギター? ああ『禁じられた遊び』ね」なんて暴言を吐かなくなることでしょう。

 教室に来る生徒さんは老若男女限らず、最高齢は八十四歳だそうです。体験中にも小学生くらいの男の子が来ていました。

 またクラシック奏法を基本に、演歌やボサノヴァでも生徒さんの好きなジャンルに合わせて受講できるそうです。

 初心者でも気軽に体験できるコースもあります。(おためし三回コース:グループレッスン三〇分×三回で五二五〇円、個人レッスン三〇分×三回で六三〇〇円、ともに五週間以内で受講終了してください)

「小さなオーケストラ」を自分の趣味に加えられたら人生の宝物にできることは間違いありません。     

                                           (高 川)
 

「井桁ギター教室」


青葉区青葉台1-7-5司ビル403

TEL/FAX.045-983-6195

http://homepage2.nifty.com/igeta/


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