休日ともなると「どこかに連れてって」とうるさくまとわりつく娘がいて、休日こそ心身の安息日と意義付ける父親の平安を乱してくれる。賢妻=倹妻と心得る妻は、金のかからない公園をお出かけスポットの王者と位置付けるが、彼女の弱点は強度の寒がりという点にあり、冬場になると、娘のおねだりに聞こえぬ振りをする。
そこで今回は、屋根も壁もあって安上がりなスポットということで、「横浜市歴史博物館」を長担当が、また「新横浜ラーメン博物館」を私がそれぞれ取材してきたので、どうぞご参考に。
新年早々、自身の安息を犠牲にして家族孝行に励行する私を、ぜひ誉めてもらいたい。
★ ★ ★ |
■横浜市歴史博物館
私たちがなにげなく暮らすこの街にも歴史があって、人々が遠い遠い昔から何世代にもわたって、時に穏やかに、時には波瀾に満ちた日々を過してきました。考えてみれば当たり前のことなのに、なんだか不思議に思えてくる、そんな体験ができる空間が、横浜市歴史博物館です。
市営地下鉄センター北駅から徒歩5分のところにある、国会議事堂を思わせるような重厚な建築物が横浜市歴史博物館。1995年にオープンしたばかりで、建物自体の歴史は浅いのですが、この博物館で紹介されているのは紀元前から横浜港開港期まで、とてつもなく長い歴史なのです。
円形の常設展示室内は、原始から近現代までの時代ごとに6つの部屋に分かれています。子供から大人まで楽しめるように、各部屋にはいくつかの装置があり、それぞれのボタンを押すとその展示物にまつわる時代をドラマ仕立ての映像や音声でわかりやすく紹介してくれます。フロアの中央にはスタディサロンがあり、パソコンを使って資料検索をしたり歴史クイズに挑戦したりと、休息と学習の場所になっています。また、歴史劇場では、横浜の2万年の歴史の中で街がさまざまに彩られ、変貌していく様を、実写とCGで15分にまとめた映像で見ることができ、さながらタイムトラベルをしているかのようです。体験学習室では、鎧や兜などに直接触れることができ、まさしく歴史を手触りで体験できるという趣向です。とにかく、内容満載なので1、2時間はあっという間に過ぎてしまいます。
家族揃っての見学後は併設のレストラン「カプリコーン」(レストランのみの利用も可)で、歴史を語らいながらの食事も楽しめます(右ページのプレゼントコーナーもご参照下さい)。
この常設展示の他に1月15日(金)から凧(たこ)をテーマとした企画展が催され、世界各国から珍しい凧の展示や凧作りの体験など、楽しいイベントが行われる予定です。 (担当 長) |
●都筑区中川中央1・18・1
●рX12・7777
●常設展示観覧料 400円(高・大生200円 小・中生100円)
●開館時間9時〜17時
●休館月・祝翌日
●駐車場2時間400円
|
■新横浜ラーメン博物館
美味しいものを食べると、人間はなぜか優しい気持になれる…、そういう意味で選りすぐりの評判店八店が味を競う新横浜ラーメン博物館は、ラーメン好きなら誰でも優しくなれる場所である。そしてもし貴方が、昭和30年代を体験しているなら、そこはさらに「自分に対して優しくなれる」場所として、自身の魂の黎明期へと貴方を導く…「オレも結構頑張って生きてきたんだなあ」なんて。大げさに言えばラーメンは、魂に訴えかける食べ物かもしれない。
新横浜ラーメン博物館は、ラーメンのテーマパークという一面を持っている。一階の「ラーメンギャラリー」はラーメンに関する歴史や、全国最新ラーメン情報が満載で、ラーメンに対する知識を高めることもできるが、敢えて言わせてもらえばここは端折ってもかまわない(関係者の皆さんゴメンナサイ)。入館したらすぐに地下の「ラーメンの街」に向かうのが正しい。ここは、昭和33年の夕焼けの下町を細部にまで忠実に再現した空間である。街への入口は架空の「鳴門橋」という駅の改札口で、夕方の通勤(学)帰り、駅を出るところから、過去への時間旅行が始まるという演出である。夕焼けの中の街並みは、地階と中2階の二重構造になっていて、鳴門町、蓮華町、鶴亀町といった名前がつけられている。地階は駅前広場(鶴亀公園)を中心とした下町の商店街、中2階はその裏路地という風情で、建物はもちろん、映画の看板も、塀に貼られた貼り紙も、屋根の上のテレビアンテナも、みな驚くほどリアルに昭和30年代を再現している。
街にはパチンコ屋があり、映画館があり、タバコ屋や交番や風呂屋や木賃宿や場末のバーなどがあり、公園にはラムネやお面売りの屋台、飴細工や似顔絵書き、そしてその周りで子供たちがベーごまやフラフープで遊んでいる…そんな懐かしい街を歩いているとラーメンが食べたくなってくるから不思議である。そして夕焼けの街を包み込むように、本物のラーメン屋が美味しい匂いを漂わせているのである。
ラーメン屋は常設店が『一風堂(博多)』『勝丸(東京)』『「げんこつ屋(東京)』『こむらさき(熊本)』『純連(札幌)』『新福菜館(京都)』『六角屋(横浜)』の七店舗の他に、《新横浜着全国ラーメン紀行》と銘打つ期間限定店が一店舗あり、現在は『井出商店(和歌山)』が出店している。館長をはじめスタッフらが、全国各地を回って発掘した名店ばかりで、それぞれに特徴のある味自慢である。そういえば現在の和歌山中華そばブームの火付け役も彼らだという。取材の際に今年は「徳島ラーメン」がブレイクしそうだという情報も耳にしたが、果たしてどうなるか。
もう一つこの街の演出に一役買っているのが、駅員さんや、駄菓子屋『夕焼け商店(実際に営業中)』のおばあちゃんや、『ホームランベーカリー(営業中)』の親子、町の世話役など、実際の劇団員の方が扮しているユニークな住民たちで、気軽に話しかけるのも面白い。
その他、いろんな趣向がビックリ箱のように散りばめられた、このラーメン博物館の魅力とは、ノスタルジアで味付けした非日常、舞台と客席が一体化した「重層な芝居仕立て」という点にあるのかもしれない。(担当 く)
|
●港北区新横浜2・ ・ (新横浜駅より徒歩5分)
●рS71・0503
●入場料300円(子供100円)
●開館時間11時〜23時
●定休火曜(祝日の場合は営業)
●有料駐車場あり
|