当通信の特集に取り上げるのは、基本的には近隣の情報という不文律があった。「あった」と過去形にしたのは、最近「近隣」からはみ出して「近郊」と呼んだ方が実態に近いような取材地を取り上げるケースが増えているからだ。これには、近隣のお勧めスポットを、ほぼ紹介し尽くしたという理由もないこともないが、それ以上に「もっと遠くに遊びに行きたい」という、取材する担当部員の思惑が如実に現れている。取材と称して、公費で「漫遊」する、それが通信担当の役得だと言ってはばからないのだから、あきれて物が言えない…、と小言幸兵衛みたいになってきたが、取材者が楽しめるスポットだからこそ、読者の皆様にご紹介できることも事実なので、多少は目をつぶってきたのだ。ところが、編集会議の席で、勝野・菊地のたまプラーザ店能天気コンビが、築地市場の取材を提案した。築地はもちろん近隣でもないし、近郊とも言いがたい、しかし「公費で遊びたい」派が優勢なわが編集部、圧倒的多数で議決されてしまった。やれやれ、そのうち、海外を取材したいなんて言い出すんじゃないかと、能天気コンビから目が離せない私である。
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師走も押し迫ると、どのご家庭も掃除に買物にと大忙しのはず。そんな時、ちょっと気分転換、早起きして築地に行ってみませんか?年末年始に欠かせない、豊富な食材が皆さんを待っています。
私、勝野といつも元気で明るい好奇心王の菊地担当が伺ったのが、東京の築地場内・場外市場です。早起きしないと見られない迫力満点のマグロのセリ市も特集して報告いたします。
場内市場マグロセリ市編
まだまだ暗い朝の五時頃、築地の場内市場は慌しく人や物が行きかっています。こんな早朝に賑やかなのは、私が在籍する廣田新聞店たまプラーザ店(菊地担当が特にうるさい!)だけかと思っていたら「勝野さん、こーれは凄い熱気と慌しさ、
時間との闘いだ!朝早く起きてきた甲斐があったってもんだ!ワッハハ!」とおなじみ菊地担当の高笑いが場内に響く…いや響かない!この場内の熱気と喧騒でかき消されてしまうのです。その上、床には大量のマ・グ・ロ!一尾二百〜三百sもある生マグロ君が、広い場内をステージにして、所狭しと並んで、さながら「ミス(ミスター?)生マグロコンテスト」の様相です。マグロ君は青森のような地元日本や、遠くはギリシャ・オーストラリア、インドなど世界各国から集まってきますが、築地場内に朝早く見学に来られる人々も、日本の方や外国の方が入り混じって、菊地担当いわく「こーれはマグロ見学のワールドカップだな!ワッハハ!」と、寒いギャグとも取れる発言ですが、確かに国際色豊かな見物人も築地ならではです。
買い付けに来た人が生マグロを一つ一つチェックしていきます。しばらくして「カランカランカラン」鐘の音、時計を見ると五時半でした。すると何箇所かでセリが始まり、独特の掛け声が場内にこだまします。すると買い付け人が、手で合図をします。符牒の意味は素人の私たちにはよくわかりませんが、次々と交渉が成立していきます。そのやりとりは、簡略の美を備えたまさに「伝統芸」です。「僕が無形文化財に指定してあげたいね」とは菊地担当の弁。彼から指定されても、市場関係者は困るだけだろうな、と思いますけど…。そんなこんなで、はるばる船で運ばれてやってきたミス(ミスター?)生マグロ君は、それぞれ卸業者の方々に引き取られるのです。身に名札と伝票が貼られ、その後台車で運ばれ、ステージを去っていくのです。通路は生マグロ君を載せた台車や、リフト・人で交通渋滞ですが、信号がなくっても、お互い大声を掛け合うことで「交通事故」を避け、鮮度を落とすこともなく輸送されていくのです。
生マグロの次は場所を隣に移し、寒そうな冷凍マグロ君のセリになります。「生と冷凍に分けられる違いは何ですか?」「それはおめえ、漁場が遠いものが冷凍になるんだ。船の中で冷凍にしてくんだよ、あったりめーだろ!」とやさしく(?)教えてくれました。確かに「あったりめー」ですね。そうしているうちに、またあの独特のセリの掛け声が聞こえてきて、冷凍マグロ君が売られるときがやってきました。いずれにしても、築地の場外市場には買い物で行かれた方もいるとは思いますが、この場内市場の朝五時ごろから開かれるマグロのセリ市は、絶対に見る価値★★★★★です。皆さんもマグロの大きさや、ズラーッと並んだ風景、人と場内全体の熱気・活気を体験してみてください。早起きして、道中眠かった眼も一気に覚めること間違いなしです。
場内市場・中卸業者売り場編
セリ会場に隣接して、卸業のお店がたくさん並んでいます。通称「魚がし横丁」で、お店の経営者が買っていくのはもちろん、一般の方も購入できます。競り落とされたマグロ君もこちらへやってきます。「おっ!なんだありゃ!日本刀?日本刀みたいだな〜」見ると刃渡り一m超の日本刀みたいなもので、見事にマグロ君を真っ二つにして、さばいています。これまた印象に残る一シーンでした。
「勝野さん!他にもいろんなの売ってるよ!しかも店があんなにたくさん!こーれは全部見られるかなー!ワッハハ!」えっ、全部見る?とびっくりしつつ見回すと、たくさんの新鮮な魚介類が売られています。「どれも色がよくて、安く、うまそうだー、ハハハ!」と今すぐにでも食べてしまいそうな勢いの菊地担当。しかしその気持ちもよくわかる私、勝野です。隣接する青果部門も見て、おなかがペコペコになった私たちは、いよいよ待ちに待った朝食タイムです。
場内市場・魚がし横丁朝食編
場内にも実にたくさんの飲食店があります。どのお店を選ぶのかというのも楽しみの一つです。「おっ!何だあの行列は?あれが有名なお店か?」と、すかさず好奇心王の菊地担当、向かいの紙店のご主人に「おじさん、あのお店あんなに並んでるけどそんなにおいしいの?」「いや〜、どこも同じだよ。どこも新鮮なの使ってんだから。テレビだよ、テ・レ・ビ・の影響!」なるほど納得。「そうか!築地なんだからネタはいいに決まってるんだ!いや〜メデイアの影響力は凄いなー!僕たちも気をつけて書かなきゃね、勝野さん!ワツハハ!」あれ?ひろたりあん通信って、そんなに影響力あったっけ?
キーワードは「プリプリ・プチプチ」 「胃袋が四つあればなあ」それじゃ、牛だって
「勝野さん!こーれいいんじゃないの?」どれどれ「海鮮六点盛千六百円」こーれはいいということで『大江戸食堂』さんへ。ほどほどに待って、店内へ。そして来た来た『海鮮六点盛!』これは皆さんが想像するとおりにおいしい!えび・イカはプリプリ。いくらはプッチプッチ。マグロはみずみずしく、ウニはとろ〜り。
「お姉さん、これプリプリのこのえび、何っていうの?」「それはじゅせん(寿鮮)えびといって、ブラックタイガーを生で加工したものです」と教えてくれました。イカは赤イカです。「勝野さん!新鮮だという証拠はウニでわかりますよ!味も色もぜんぜんきれいだもの!わかる?勝野さん!ワツハハ!」得意そうな北海道出身の菊地担当を無視して、おいしさにひたる勝野でした。
場外市場・食べ歩き編
場内市場を道一本挟んで広がるのが築地場外市場です。ここにもたくさんの飲食店があります。しかも取材したのは土曜日。イベントを行う店もあり、その場で焼いて食べさせてくれたりします。まずはやっぱりお寿司!築地で食べるお寿司は新鮮なのは当たり前、値段も比較的安く、何しろ具が大きい!さらに商店街を歩いていると、もつ煮込みや、海鮮ラーメン・そばなど、いろいろな食べ物を好みによって食べられます。「いやー、ラーメンも食べたいしエビフライも食べたい!全部おいしそうだけど、海鮮丼も寿司も食べたからなー!胃袋が四つほしいよ!ワツハハ!」それじゃあ牛だって、でも私も同感です。
築地銘店会の土曜日のイベントの一つ、海鮮屋さんのイカ焼き、私が下足(百円)、菊地担当は本体(百五十円)を。「おじさん、これ炭で焼いてんの?本格的だね、でもこの大きさで百五十円は安くない?」「ああ備長炭を使ってるし、築地だからこの値段で食べられるんだよ!」と胸を張るおじさん。食べると「プリプリ・プチプチ」で本当おいしい。他にもホタテ焼きや、サザエもあってどちらも百五十円、この値段信じられますか?
さらに足を止めたのが、鶏肉屋さん。築地で鶏肉?、何か違うのかな?と思ったけど、そこは好奇心王菊地担当「勝野さん!ちょっと食べてみましょう!」もうお腹がパンパンだったけど、「とってもおいしいよ」という掛け声と、これも仕事だ!という使命感が、私に「皮」を注文させたのです。菊地担当は元気よく「ハツ!」。
結局築地の焼き鳥はどうだったかというと、なんとこれがまた「プリプリでプチプチ」、これが今回のキーワードになりそうですね。しかも一本六十円「いやー、焼き鳥まで新鮮でおいしいとは、さすが築地だな!ワツハハ!」と、菊地担当の高笑いが築地にこだましたのでした。菊地担当と築地の相性のよさは、名前が似ているせいでしょうか。菊地築地担当、ちょっとまぎらわしいな。(この項まで勝野)
場外市場・買い物編
やはり築地といえば魚介類です。いろいろなエビ・カニがいるお店は、どれもつやつや!あまり見たことのないものが並んでいて、伊勢エビや毛ガニなんかは、まだ生きていました。生ゆで毛ガニを買えるのは、北海道の港以外ではここだけではないでしょうか。
マグロ専門店は、やはり本マグロが多く、少し高価ですが、これも生なので買いです。他のどこの店の魚も新鮮で、カツオやサンマの色なんか、まぶしいくらいに光っていました。お造りには外せない、本わさびが揃うのも築地ならではで、どれも立派な形をして新鮮でした。海の幸に恵まれた北海道出身の私の目から見ても、このつやつやした魚たちを見にくる価値は十分にあると思いました。先日、北海道の漁師の方に聞いた話ですが、よいものは、すぐに築地へ発送し、それがお店に並ぶころ、一番おいしい状態になっているんだそうです。
でも築地は魚だけではありません。玉子焼屋さんの厚焼玉子は、お寿司屋さんも買いに来るほどの美味しさです。その他にも、包丁屋さん、食器屋さん、金物屋さん、お茶屋さん、海苔屋さん等々、ここに来ればすぐにでも寿司屋が開けるほど、食関係なら何でも揃うのです。やっぱり、築地はすごかった! 今度はプライベートで来て、もっともっと食べまくるぞー!
(この項菊地)
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