■ひろたりあん通信バックナンバー
2002年 7月号
 水と森のテーマパーク水と森のテーマパーク
          夏休みは宮ヶ瀬湖で決まりです!
写真  たまには私だって怒る。「たまにじゃないじゃない」という妻の言葉は無視して、今怒っている。「夏休みのレジャーに宮ヶ瀬湖の紹介はどうですか?」望月担当の提案はもちろん評価する。当通信の体験取材は、えてして「遊びのついでに取材」という様相を呈するが、自分たちが楽しめないものを紹介してもしょうがないから、それには目をつぶってきた。大いに楽しんで、その楽しさを紹介したらいい、そんな寛大な私が今怒っているのである。「宮ヶ瀬湖を取材しながら、湖の写真が一枚もないとはどういうことだ!」「天候が悪く写真が撮れなかったんですよぅ」わざわざ雨の日に取材しなくてもいいではないか、頭を抱える私に対して「美しい景色を、ここでは謎のままにしておくほうが、読者の皆さんがお出かけの際により大きな感動を味わっていただけるんじゃないっすか?」勝野担当がクールに言い放つ。そこまで言うのなら、判断を読者の皆様に委ねることにしよう。

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写真  梅雨の初め、まさにそれを象徴するようなお天気のぶつかってしまいました。とにかく、どこを向いても雨と靄で真っ白、本当なら新緑に輝く美しい風景がドーンと広がっているはずなので、それは皆さんが実際に訪れて、その目で見てもらうとしましょうか。

 僕たち望月・勝野・本川・尾川の四名は、厚木市の北側、丹沢山地に囲まれ、緑と水に恵まれた、愛甲郡清川村の宮ヶ瀬に出かけてきました。ここには、神奈川県民の新しい水がめ、宮ヶ瀬ダム(宮ヶ瀬湖)があり、その周辺には、カヌー場、バーベキュー場、キャンプ場、ハイキングコース、釣り場、浴場、さらには、乗馬、卵ひろい、ケーブルカー、遊覧船、野外音楽堂に、パターゴルフ、グラススライダー、ゴーカートなど、数多くのレジャー施設が集中しています。また、宮ヶ瀬ダムはもとより、水の郷交流館、やまなみセンター、ビジターセンター、水とエネルギー館等の見学施設も整備されています。それらを実際に取材し、夏休みの家族レジャーの選択肢に加えてもらおうというのが、私たちの狙いなのです。  宮ヶ瀬湖周辺は、レジャー施設の多い「宮ヶ瀬湖畔地区」、ダムと発電所を見学でき、水資源とエネルギーを学習できる「ダムサイト地区」、手付かずの自然が広がる「鳥居原地区」の三つのエリアに分かれています。今回は、このうち「宮ヶ瀬湖畔地区」と「ダムサイト地区」、公設浴場の「別所の湯」を取材してきました。 まずは交通アクセスですが、宮ヶ瀬湖畔地区から入るのなら、東名高速厚木ICから国道129号線を経由し、県道60号〜県道64号(清川村方面へ)、ダムサイト地区から入る場合は、同じく東名高速厚木〜国道ICから国道129号線〜国道412号線「清正光入口」交差点を左折、どちらも厚木から約五十分です。また、小田急線の本厚木駅からバス便もあります。

写真 宮ヶ瀬湖畔地区
 ここは主に、おしゃれな料理屋やお土産屋さんが建ち並ぶ「水の郷」、大吊り橋を中心に広大な観望と、アウトドア感覚を楽しめる「宮ヶ瀬湖畔園地」、ゴーカートやパターゴルフなどで遊べる「小中沢のりもの広場」の三つのエリアに分かれています。まずは園地の入り口付近にある県立宮ヶ瀬やまなみセンター(園地管理事務所)を訪れましょう。宮ヶ瀬のさまざまな情報を得ることができます。また「宮ヶ瀬水の郷交流館」では、ダムの底に沈んだ宮ヶ瀬地区の歴史資料や、古民具どが展示されています。悪天候のせいか、当日はのりもの広場は閉鎖されていました。ゴーカートに乗りたかったのにぃ…。  人影まばらな中を、僕たちはやまなみセンター脇の、巨大なメイン階段を昇り、宮ヶ瀬湖畔園地に入園しました。園地は親水池を中心に広大な敷地を擁しています。すぐに目に入るのが、芝生の緑が鮮やかな「けやき広場」です。周囲をけやきの木で囲まれたこの広場は2.5ヘクタール。家族みんなでお弁当を広げたり、ちょっとしたボール遊びなども楽しめそうです。僕なら昼寝かな、でもこの雨の中で寝っころがる勇気は、残念ながらありませんでした。

写真  園地内の移動手段は二つあります。まずは歩くこと。自然の中を歩くのは気持ちのいいものです。もう一つはロードトレイン「ミーヤ号」です。これはレールのないミニ列車で、一周2.8qを約三十分おきに周回しています。乗り場は五箇所、僕たちは「やまなみセンター」から乗りましたが、車窓から眺める宮ヶ瀬の自然もまた一味違うものがありました。ちなみに列車名になっている「ミーヤ」は宮ヶ瀬湖のキャラクターで、カモシカがモチーフになっているようです。「案外安易なネーミングだなあ」とは勝野担当。もっともウチのキャラクターだって「ひろたん」なんだから、偉そうなことはいえませんが。なお、月曜日(祝日の場合は翌日)は運休となるそうですので、ご注意を。

 「ミーヤ号」が最初に止まったのが「ピクニック広場」です。せっかくの大自然ですから、食事はバーベキューにしたい!特にわが社には「社員のコミュニケーション作りにはバーベキュー!」という、良き社風(?)があり、当然僕たちも準備万端整えてここに乗り込んできたのですが、実はこのピクニック広場では、手ぶらでバーベキューが楽しめるのです。ピクニック広場では二十区画のテントサイトが整備されていて、デイキャンプやバーべキューができます。予約をすれば、バーベキューの器具や食材を用意してもらえますので、昼食はぜひバーべキューを。ただし持ち込みはできないそうで、重い荷物を持ってきた僕たちは、単なる間抜けだったというわけです。なお、バーベキューは一人前二千円と二千五百円のコースがあります。予約、営業についての問い合わせはTEL046・288・2727。

「ミーヤ号」はさらに進み、親水池のほとりに出ます。この大きな池の中心に大噴水をつくる工事が進められています。湖側の頭上には、歩行者専用としては日本で二番目の橋長を誇る、三百十五mの「水の郷大吊り橋」を眺めることができます。利用できるのは、土日祝日だけですが、夏休み期間中は平日でもOKとのこと、宮ヶ瀬湖の湖面を散歩するような気分が味わえるそうですが、この日は平日、なんでこんな日を選んだのか、自分たちの計画性のなさを悔やみます。 写真  大吊り橋の下に遊覧船の乗り場があります。この遊覧船は湖面の景色を楽しむだけでなく、湖畔の三つの地区を連絡する貴重な移動手段としての側面があります。実際、車で移動しようとすると、かなり遠回りしなければなりません。ただしこの日は濃霧のために欠航、私たちは無駄な時間とガソリンを消費することになりました。なお、湖畔地区からダムサイトへはダム見学バスが約二十分おきに運行されています。一般車両入れない、北側の工事用道路を通行するので、通常なら見ることのできない景色を楽しめます。なお、僕たちはそれを後から知りました、残念です。

ダムサイト地区
 大回りをしてようやくたどり着いた宮ヶ瀬ダムは、日本有数の規模を誇ります。高さは百五十五m、これは奇しくも、横浜のマリンタワー(百六m)と神奈川県庁(四十九m)を足した高さです。最初見たときとにかく圧倒されました。ものすごくでかくて、それはそれは迫力がありました。ダムの広さは東京ドーム百個分(余談ですが、なんで大きさを比喩するのに東京ドームが使われるんでしょうね。神奈川県にある施設なんだから、横浜国際総合競技場とか、横浜スタジアムとか、市ヶ尾おさかな広場…は別にしても、地元の施設で比較してほしいと思うのは僕だけでしょうか)、 写真 貯水量は学校のプール五十万個分、使用されたダム壁のコンクリートで、ランドマークタワーができてしまうほどです。このダムの水は、県下二十一の市町の水道用水として使われています。もちろん僕たち横浜市民もその恩恵を受けているのです。また、水力発電も行われていて、ダム下の愛川第一・二発電所で起こす電気は、二万千戸の使用量に匹敵するそうです。

 このダムの屋上にも昇ることができます。まずダム堤体内エレベーター(無料)で百二十メートルまで昇り、そこから有料のインクラインというケーブルカーで、壮大なパノラマビューの中をさらに昇っていきます。 写真 インクラインは、元々ダム工事のために使用された施設で、三五度の斜面を力強く昇っていきます。もっとも僕たちが目にすることができたのは、ミルクのように一面真っ白な景色でしたが…。

 ダムサイトにはもう一つぜひ寄っていただきたい施設があります。それが「宮ヶ瀬ダム水とエネルギー館」で、入館無料です(月曜休館)。簡単に言えば「体験型アミューズメント施設」で、水やエネルギー資源についての情報はもちろん、ゲーム感覚で体験学習ができます。たとえば尾川担当が挑戦した「取水ゲート操作体験」、相模大堰の模型を操作することによって、取水の仕組みが学習できます。また「ダム操作室」では模型を操作しながら、ダムの日々の運用を知ることができますし、「建設司令室」はダム建設工事のシュミレーション体験ができます。僕が挑戦したのが、エアロバイクのペダルをこいでタンクに運んだ水を落下させ発電する「水の力で発電!」二十リットルくらいの水を汲み上げるのに、同じくらいの量の汗をかいた(大げさです)僕ですが、起こした電気はほんのわずか。自然の持っている底力に改めて驚かされました。

写真
 こんな有意義な体験をした僕たちですが、とはいえ、このダム施設のために、代々の家や土地、それに思い出までも失ったしまった人たちがいるわけです。移転せざるを得なくなった家…、というより「家族」は二百八十一にも及びます。「この歴史までも水没させたらいけないよね」ポツリとつぶやいた勝野担当の一言が印象的でした。

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 宮ヶ瀬湖周辺には、まだまだ楽しめるところがたくさんあります。湖畔地区に注ぐ早戸川など周辺の河川は釣りのメッカ。県外ナンバーの車も多く見られます。また初心者でも楽しめる管理釣り場もあります。あと、キャンプ場もたくさんあるので、夏休みにはぜひ家族総出でアウトドア体験をしてみてはいかがでしょうか。

 一日動き回った僕たちは、ダムサイトからの帰り道、清川村の中心部にある「清川村ふれあいセンター 別所の湯」に寄って、疲れを流しました。ここの湯は温泉ではありませんが、打たせ湯、サウナ、露天風呂などもあります。 写真 特に露天風呂は、森林の中にあるような風情で、その濃い森の香によって、温泉につかりつつ森林浴という贅沢が味わえます。また休憩室や軽食コーナーの設備もあってくつろげます。

 今回の取材であまり見せ場のなかった、廣田新聞店のひょうきん横綱本川担当が、最後に湯船の中で得意のイチローの形態模写で締めてくれましたが、果たして読者の皆様に失礼がなかったかどうか、疑問をなかなかぬぐうことができない僕です。
                  (望 月)
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