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ある心理学者によると、男はすべてマザコンだそうだ。「そんなことはないっ、オレは違う!」と否定される方があるかもしれぬが、私の発言でないので責任は取らない。その心理学者いわく、男はすべてマザコン(専門的にはエディクスコンプレックスという)であるが、問題になるのはその程度の度合いで、ごく一部の重度の男だけが「冬彦さん」となる可能性を保有しているわけだ。そんなことを聞いていたら、ふとこんな考えが浮かんだ。「夫はすべて恐妻家ではないか」「オレは違う!」と否定する方もあろうが、単なる私の思いつきなので責任は取らない。ここで問題になるのは、マザコンと同様、程度の度合いである。そしてどうやら、私は「重度」の恐妻家らしく、わが家庭内での序列は、妻→娘→ハムスター→私、という順番で定着している。親バカ…もとい、子煩悩で通っている市ヶ尾東部店の伊藤担当も、どうやら恐妻家らしい。彼の子煩悩も、深読みすれば、子どもを盾に、奥さんからの攻撃を逃れようという魂胆が見え隠れする。妻子同伴の「くりはま花の国」の取材も、そんな彼の自己防衛術にほかならない。私も彼同様に、重度の恐妻家ではあるが、そこは彼とは年季が違う。子どもを盾にはしない、妥協なんてもってのほか、ただひたすら妻からの攻撃を耐えるのみである。「長期の恐妻期間は忍耐力を培う」この説になら責任を取ってもよい。
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「次の企画はどうしようかなぁ…」まだ一度も企画が採用されたことがない私です。
所属する市ヶ尾東部店では、子煩悩パパで通っており、愛読書が『こどもとおでかけガイドブック』である私伊藤は、パラパラといつものように、本をめくりつつ面白スポットを探しておりました。
「おっ!これいいじゃん」目に付いたのは横須賀市久里浜にある、「くりはま花の国(以下「花の国」)。広大な園内に百万本のコスモスが色とりどりに咲き乱れる県内屈指の花の名所。他にもハーブ園・冒険ランド・フラワートレイン等のプレイスポットが多数。しかもなんと入園料はタダ!「うん!ここしかないっす」
企画会議で提案してみると、どうやらみんな夏バテ気味でアイデアの用意がなく、ただ一人真面目な私の企画は「無投票当選」そんなわけで、取材初体験の私伊藤が、ちゃっかりと家族サービスも兼ねて、二人の子供と愛妻を引き連れて、三浦半島の南端、久里浜へと出かけてまいりました。
コスモスよいずこ?
夏休み最終週の土曜日、はりきって起床してみると、当日はあいにくの雨模様!今年最大級の台風十六号が九州に接近中とのことで、雨こそまだ降っていませんでしたが、いつ降ってもおかしくない微妙な天候でした。
第三京浜〜横浜新道〜横浜・横須賀道路と高速を乗り継ぎ、終点の佐原ICを降りてすぐの所に、「花の国」はありました。時間にして車で1時間強。電車でも横浜から京急の快特に乗って四十分くらいで着きます。
早速、駐車場に車を停めようとすると、駐車場係のおじさんが「花の国のお客さんですよね?」「あたりまえです!」駐車場のおじさん、何を血迷った質問を…。と思った次の瞬間、その意味は痛いくらいにわかりました。広い駐車場にウチの車を含めて1〜2台。園入口周辺には花壇がきれいに手入れされており歓迎ムード万点なのですが、周囲には誰一人お客さんがいない状態。そりゃこの天気で屋外メインのスポットに遊びにくる物好きはいないですよね…。
花の国では、広大な敷地を移動するために「フラワートレイン」なる機関車を模した周遊バスが運行されています。子供達も喜ぶだろうと、停留所に向かうと、なんと「本日運休」の文字が!いくら天気が悪いとはいえ、夏休み最後の土曜日ですよ!(泣)しょうがないので私達一行は園内を徒歩で歩くことになってしまいました。
「まだ、9月になってないけど、ちょっと気の早いコスモスさんが、お出迎えしてくれるでしょ」な〜んて、出発前の私の淡い期待も、ものの見事に外れ、コスモス畑はまだ青々とした草原状態。そりゃ、お客さんいないはずだ。園のガイドによると「コスモス園」の今年のオープンは九月の十八日、見ごろは例年、九月中旬〜十月中旬なのです。読者の皆さんにご紹介するには、ひと月前に取材しなければならないので、やむを得ません。それにしても…少しくらい咲いていてもいいでしょ〜(泣)。
残念ながらコスモスの花は見ることが出来ませんでしたが、この畑はとても広いです!これだけ広いコスモス畑は首都圏でもそうは見られないのではないでしょうか。毎年、コスモス園」の開園最終日には無料の「花摘み大会」が実施されます。この日は雨天でも決行するそうで、来園者が軍手とハサミにビニール持参で、手に抱えきれないほどのコスモスを自由に摘んで持ち帰ることが出来ます。それが終わると今度は春に向けてポピーに植え替えが始まります。
秋にはコスモスのピンク、春にはポピーの真っ赤な絨毯が丘陵一帯を埋め尽くし、一年に二度もお客さんの目を楽しませてくれるのです。
ゴジラだ〜!
気持ちを切り替えて、ハイキング気分で遊歩道をあがっていくと (といっても坂です。小さな子供には結構きつい!)。今にも泣き出しそうな空模様に子供達も泣き出しそうです。しかし、そこにな、なんとゴジラ出現!子供の目の色が一瞬にして変わりました。
高台にある「冒険ランド」には中央に七mの巨大ゴジラがいるのです。しかも、これが超リアル。ただの像かと思いきや、しっぽの部分が滑り台になっているのです。他にも全長四十五mのローラー滑り台やつり橋・科学的興味を引く風力発電塔など子供達が遊べるユニークなアスレチックの遊具がたくさん。ここでシートを広げてお弁当を食べながら一日過ごす家族も多いようです。私も子供に引っ張られるように、頂上目指しいざアスレチック施設へ。しかし、前夜に降った雨のせいで遊具は湿っていて遊ぶこともままならない状態。仕方なく次へと進むことにしました(ピンチ!このままでは、何もできないまま取材が終わってしまう)。無邪気にはしゃぐ子供達とはウラハラに不安が頭をかすめます。
気を取り直して先に進むと、「県木の広場」が現れました。ここには、四十七都道府県の郷土の木が一堂に会して植えられています。一回りして自分の故郷の木を見つけるのも一興です。その中心部に「愛の鐘」がありました。鐘から2本に分かれたロープを交互に引くことにより、愛する二人が息を合わせて永遠の愛を誓うというもの。恐妻家(?)
でもある私が、妻との愛を何年かぶりに確かめようと、恐る恐る声をかけるよりも先に、上の子がダッシュ!
「パパ〜。そっち持って〜」
やっぱりこういうオチなのですね…。ちなみに、ここでは、管理事務所で恋人証明書を発行してもらうこともできます(もちろん無料!)。恋人同士だけでなく、冷めた夫婦愛の建て直しにもご利益があるかも!「おまえが先だろ?」妙なツッコミは止めてください(そう言ってかたわらの妻の表情を盗み見る臆病な私です)。
どうやらここがこの園内の頂上になっているようで、この先は下りになります。眼前には、久里浜港が見え、東京湾を行き交う船や房総半島が見渡せるちょっとした感動スポットになっています。
雨の雫にハーブの香り
次は見どころNO.2の「ハーブ園」。ここでは、首都圏最大級二四〇種一万八千株のハーブを見ることが出来ます。ここだけ入園料が発生します。小学生以下は無料なので二人分の入園料を払って、いざ出発!
園内にはおなじみのラベンダー、セージ、カモマイル、ローズマリーと言ったハーブの数々が色別・用途別に、ブロックに分けて植えられています。初めての人でも分かりやすく、実際に手で触れたり、香りを楽しんだりすることで、ハーブの魅力を心ゆくまで堪能しながら勉強することも出来るのです。これで入場料大人五百円は安いと思いました。
「パパ〜。お腹空いたよ〜」時間をみるとそろそろお昼時、昼食にも丁度いい時間。「じゃあなにか食べようか!」しかし、この調子じゃ、レストランもやってないかも・・・。不安を抱きつつ、近くの洋風レストランへ向かいました。やっていました、やっていました。ちょっとおしゃれな感じのハーブレストラン「ロスマリネス(ラテン語で海の雫)」です。入口には、東京ウォーカーやTBS系「王様のブランチ」に紹介された様子の記事が貼ってあり、「おっ、ちょっと期待できるかも」とはやる気持ちを抑えつつ店内へ。お店の中も気品ある地中海風です。旬の食材に自家製ハーブを使った「シェフズランチ」は、オードブルにパスタ、肉または魚のメイン、自家製焼きたてパン、最後にデザートとハーブティーの6種と言う豪華さ。お味もなかなかで、とても公園内のレストランとは思えない内容でした。
屋外の「フラワーヒル」のテラスにはバーベキューテーブルがあり、東京湾を見下ろしながらのナイトバーベキューが夜九時まで楽しめるので、クリスマスに訪れるのもムードがあっていいかもしれません(要予約)。和食がお好みの方は、花の国入り口に和風レストラン「うおくに」があります。この日はお休みでしたが、久里浜で水揚げされた新鮮な海の幸を味わうことが出来ます。
また、花の国ならではのラベンダーの香りが楽しめるソフトクリームが園内の各売店で味わえます。
ハーブのお土産
店に入る直前から降り出した雨が強くなり、一同まったりムード。すっかり重くなってしまった腰をなんとかあげて、レストラン近くのハーブショップに向いました。アロマテラピー関連グッズ・ポプリ・ハーブの苗やガーデニンググッズが豊富に揃えてあり、お庭いじりの好きな奥様にはもってこいの可愛らしいお店です。ここでは予約制のハーブ教室も開かれているそうです。
雨にもめげず、何とか主要スポットを取材して一安心して出口に向うと、第二駐車場には沢山の車が止まっています。「な〜ぜ〜?」
すぐに謎がとけました。駐車場に隣接して「くりはま花の国温水プール」があるからなのです。今日は、花の国の園内はお客さんがほとんどゼロなのに、プールは駐車場待ちの列が出来るほどの大盛況。この天気じゃそりゃ普通そうですよね…。
こちらは大人三五〇円で、4種類のプールが楽しめるようになっています。「花の国」に出かける際は水着の用意もお忘れなく。
今回、体験はできませんでしたが、敷地内には「パークゴルフ場」があり、プラスチックボールとウッドクラブを使って十八ホールをまわるミニゴルフが楽しめます。ほかにもアーチェリー場やエアライフル場もあるのですが、こちらは経験者が練習する本格的な施設になっています。アテネオリンピックのオヤジの星・山本先生を目指したい方は、研修や教室も開いているので挑戦してみてはいかがでしょう。
あっというまの房総半島
第二駐車場から徒歩で五分位の所に、「東京湾フェリーのりば」があります。ここからは、たったの三十五分で東京湾を挟んで対岸の千葉県の金谷港に行くことが出来ます。房総半島へは東京湾アクアラインを使うルートしか知らなかった私には驚きでした。
このフェリーに乗れば、金谷港近くの鋸山(のこぎりやま)ロープーウェーや日本寺の大仏(奈良の大仏より十六メートルも高い日本一の大仏様)を観光して、そのうえ千葉のお土産も買って日帰りすることも可能なのです。
歴史探偵の宮澤さんによると、ここは走水(はしりみず)と呼ばれる古代の東海道のルートだそうで、ここを渡ったヤマトタケルが、嵐にあって船が沈没しかけた時、奥さんの弟橘姫(オトタチバナヒメ)が海に身を投げて夫を救ったという悲劇的な伝説があるそうです。ヤマトタケルが箱根の峠を越えるとき、「吾妻(あづま)はや〜(我が妻よ〜)」と嘆き悲しんだことから、箱根から東を東(あづま)と呼ぶようになったそうです(泣)。ぜひ妻に聞かせたい話です。
歴史と言えば、フェリーのりばの近くには「ペリー記念館」があります。幕末に黒船が上陸した久里浜の海岸に記念として建てられたもので、蒸気船のジオラマや、当時の様子を伝える資料が、無料で公開されています。
そんなこんなで、「くりはま花の国」の取材を終えました。花は咲いてないわ、雨は降ってくるわで、最悪の取材となってしまいましたが、この号が出る頃にはコスモスもちょうど見頃となり、暑さも和らいで抜群の行楽スポットになると思います。
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帰りの車中はさっき買ったポプリの香りが満開です。「我が妻」と子供達はというと、雨の中を歩き疲れたのか、後のシートでスヤスヤと寝息をたてていました。「こんどはコスモスが満開の頃に来ようね」三人の寝顔に誓う私でした。

お問い合わせ
横須賀市 『くりはま花の国』
電話 046・833・8282
http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/hananokuni/ |