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「おまえなあ、『みかん』みたいな人間にならなきゃダメだな」
「はぁ?」 友人宅で飲んでいたら、突然彼が、おかしなことを言い出す。「みかん」みたいな人間って、どんなやつだ? 少なくとも、私はあばた面ではないが…。
「みかんはさあ、謙虚だろ」「はぁ?」彼の論法はこうだ。美容と健康のために人様に貢献する健気なみかんなのに、なぜかぞんざいに扱われる。たとえばカゴに盛られてコタツの上に置かれているとする。それは、ごく自然な景色で、誰もそこにみかんがあることを意識しない。しかも、意識されないまま、みかんは皮を剥がれ食べられてしまう。食べた方も無意識であるから、全然ありがたがらない。
「コタツの上に置かれたのがバナナだったら、その景色は変だろ? メロンやキウイだったら気になって仕方ないだろう? 古来より国民的フルーツの座を不動にし続けるみかんなのに、決して自己主張しない、これを謙虚と呼ばずに、何をもって謙虚と呼ぶ!」
おまえは、みかんの何なんだ! でも「そうだよなあ…」妙に納得してしまった…が、納得している場合ではない。「みかんになれとは、オレが謙虚でないってことか?」「だっておまえはさ…」酔った勢いで口論が始まる。怒った私は「うるせえ、出ていけ!」すると「ここは、オレンジ(俺ん家)だ!」
スランプなのか、こんなくだらないオチしか思いつかなかった私を、皆さん、どうかお許しあれ。ここで友人に問いたい。「こんなにも素直に謝罪できるオレを、謙虚と呼ばずに、何をもって謙虚と呼ぶのか!」
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秋です。ひろたりあん担当が、もっともうれしい季節です。なんといっても取り上げるテーマが盛りだくさん。スポーツの秋、紅葉の秋、読書の秋…。そして忘れてはならないのが、食欲の秋です。編集会議の前日、提出する企画の打ち合わせもついつい熱が入ります。
僕たち、たまプラーザ店のメンバーの考える企画はいつでも二流ですが、食べることに関しての意気込みは超一流。今回も迷わず、食欲の秋に突っ走ります。
「どうせなら、お腹いっぱい食べたいよね」
「ホテルでランチバイキングなんかどう?」
でも取材費が高くつく企画は、必ず編集キャップに阻止されます。「自分が払うわけじゃないくせに、ケチだよなあ」
「自分が取材するわけじゃないからって、やっかんでいるんだよ」
「案外器が小さいよな」
「お土産を買ってきますって言えば、OKだったりしてな」
打ち合わせに対する熱は、いつのまにかキャップへの悪口合戦への熱に移行してしまっています。
「秋の味覚狩りくらいにしとこうか?」
不本意ですが、結局は無難な企画に落ち着きました。でも「松茸狩り」だと却下なんだろうな。 ところで味覚狩りっていっても、一体何を狩る?どこへ行く?
調べてみると、神奈川県内にも数多くの味覚狩りスポットがあります。秦野、湯河原、藤野、小田原方面などなど。栗、梨、サツマイモ、椎茸、柿…、でもこの時期にできる味覚狩りはやっぱりみかんしかありません。
インターネットで検索すると、なんと都筑区にみかん農園があるのを発見。こんな近くでみかん狩りが出来るなんて正直驚きです。
本当は取材にかこつけて、ちょっとした旅気分を味わおうと思っていたのですが、やっぱり地元の味覚狩りが気になります。
地元ネタには甘いキャップ(もちろん取材費があまりかからないから)、難なく了承されました。
そういうわけで、僕伊藤と前原の、たまプラーザ店食欲旺盛コンビが、都筑区牛久保3丁目にある『唐戸みかん農園』さんにお邪魔することになりました。
あざみ野から綱島方面に向かう大通りを走り、246号新石川交差点を越えて約1キロ。目印はボッシュさんの会社ビル、そこを左に曲がり、有馬方面に数百メートル行ったところに農園はありました。
こちらの農園は少し高台になっているのですが、住宅街のど真ん中にあり、こんなところでみかんが採れるなんて思っても見ませんでした。
よくよく見るとオレンジに色づいた立派なみかんが、ごろごろとなっています。周囲には高い建物が無いので、みかんの生育にはぴったりの環境のようです。はやる気持ちを抑え、早速ご挨拶。こちらの管理者の唐戸和一郎さんに案内され、みかん狩りのスタートです。
『唐戸みかん農園』さんでは、広い敷地に6種類ほどのみかんを栽培しています。種類によって旬の時期が微妙に違うので、その日もっとも旬のみかんを、狩ることができるそうです。
一般的にみかんは、ハウス栽培物(五〜九月)→早生みかん(九月上旬〜)→普通みかん(十一月中旬〜)→貯蔵物(十二月中旬に収穫したもの、3月頃まで)と旬が移り変わり、一年中多くの品種が市場に出回ります。みかんというと、普通は温州みかんのことを指し、収穫時期や産地により様々な品種があります。それぞれの地名などをつけて○○みかんと称してブランド化しています。今回の狩りの「獲物」は、【宮川早生】という品種です。
ビニールとはさみを手渡され、狩りに出発! 園内ではみかん食べ放題です。時間も無制限とは、僕たちのためにあるシステムみたいです。
「どれが美味しそうかね」
「やっぱり太陽に良く当たってるのが、美味しいんじゃないですか?」
「いや、実の大きいやつの方が美味しいでしょ」
みかんの選び方も知らないくせして、食いしん坊たちは、あてずっぽうに狩り続けます。
「早生みかんに関しては、一般的に小さいほうが美味しいんですよ」
唐戸さんが優しく教えてくれます。なるほど、質より量とばかりに、ただひたすらお腹一杯になることしか考えないでいると、美味しいみかんにありつけないのですね。
僕たちが訪れたのは平日でしたが、他にも小さいお子さん連れのグループが、みかん狩りを楽しんでいました。近くの幼稚園や、幼児サークルの行事などにも使われるそうで、シーズン中の週末には百人近い来場者があるそうです。ここは電話での予約制ですが「週末であれば、予約なしでも対応しますよ」と、ひたすら優しい唐戸さんです。
そろそろお腹も一杯になり、店のみんなにも地元のみかんをぜひ食べてもらいたいと、お土産の準備です。
「入場料は大人二〇〇円、小学生までなら一〇〇円です。お持ち帰りは、1キロ当たり三〇〇円頂いてます」
なんと激安〜。今回も取材費が安くついたとほくそ笑むキャップの、憎々しい顔が脳裏に浮かびます。キャップへのお土産を、割愛したのは言うまでもありません。
ここで取れるみかんは中川駅・センター北駅でも即売している(曜日限定)とのことで、みかん狩りをしなくとも、気軽に地元みかんを購入することができます。
唐戸さんの気さくな性格にも救われ、僕たちは充分堪能することができました。
「ありがとうございました。今度は家族と一緒に伺います」
子煩悩の代名詞、伊藤担当(つまり僕)は、近所のお出かけスポットが、またひとつ増えたことに大喜びです。

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「みかんが黄色くなると医者が青くなる」ということわざをご存知でしょうか? みかんは栄養価が優れていて、食べると医者が要らなくなるって意味…ではなくて、みかんが色づく秋頃は気候も良く、病人も少なくなるので、医者の収入が減って医者の顔色が冴えなくなるという意味です。
しかし、様々なメディアにも取り上げられているように、みかんは健康食品として優れています。その効能は、がん予防・風邪予防・美肌保持・ダイエット等々、と数え切れません。
今回の取材はみかん狩りでは終わらないのが凄いところ(ホントに?)。健康食のみかんを使って料理に挑戦しようという、素晴らしい意気込み。単なる食いしん坊とは言わせません。
しかし、食べることに関しては一流でも、作ることにかけては超三流。普段全く台所に立たない僕たちは、メニュー(もちろんレシピ付き)探すため、再びインターネットで検索をはじめます。
「この【牛肉のみかん煮】はどう?」
「牛肉なら、そのまま食べたいよ」
「【鶏肉のオレンジ煮】は?」
「これも普通に焼いて食べたいね」
まったく、やる気があるのか、食いしん坊コンビ。
結局決まったのは【みかんごはん】です。みかんでごはん? 愛媛の方では、給食でも出るとの噂もあります。
「本当?」「秋なら、炊き込みご飯とかもよくやるし、これなんかいいんじゃないの?」
ひろたりあん担当は、常にチャレンジ精神を持ち続けなければね。
それでは、【みかんごはん】づくりにチャレンジです。
簡単にレシピをご紹介します。
材料 ●お米…三合 ●塩鮭…三切れ ●顆粒だし…少々 ●塩…少々
●こしょう…少々 ●グリンピース…少々 ●みかん…8個
作り方は、まず用意した電気釜にお米を入れ、みかんをしぼった果汁とお水を七対三の割合で混ぜたものを注ぎます。普通の水加減です。
おいおい、お釜の中がオレンジ色に染まっているけど大丈夫?
続いて、塩・こしょう・顆粒だしと、しょうゆを隠し味として入れ、塩加減を舌で確かめます。うん、OK! 最後に塩鮭を入れてスイッチポン。なんと簡単な料理でしょう。炊き上がったら、塩鮭を取り出し、小骨・皮を取り、ほぐして釜に入れ、よく混ぜ、蒸らしたら完成!
お釜からほんのり漂うみかんの香りに、不安を覚えつつ、おそるおそる蓋を開けます。
「うわっ!ご飯がオレンジ色。やっぱりやめたほうがよかったのでは?」 一口分を指に取り、口に運びます。味付けをしているのと、塩鮭を入れているので、みかんの甘さはほとんど気になりません。後味に少し酸味が残りますが、普通の炊き込みご飯の感覚で食べられます。特に決まった作り方はないようで、、しいたけ・人参等を入れても大丈夫。
店の他のメンバーにも試食をお願いしました。
「まあまあ何も言わずに、このご飯を食べてみてよ」あえてみかんとは告げずに試食してもらいます。
「この黄色っぽいのは玉子でも入れているの? 何か酸味があるような気もするけど」
「実はみかんが入ってるんだよね〜」
「げげっ!みかん? でもけっこう美味しいよ」
普通に食べれることに一同驚きの様子でした。
これからコタツとみかんは手放せなくなる時期。皆さんもぜひ、地元のみかん狩りと、みかん料理にチャレンジしてください。
でも、ここだけの話、みかんはそのまま食べるのが、一番美味しいような気がします(笑)。

(伊 藤)
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