■ひろたりあん通信バックナンバー
 2006年12月号
 癒し処みい〜つけた!?
   リラックス大塚の『港北の湯』脱力記

  大塚誠なる大男がいる。昨年、美しが丘店から本部の営業促進課に異動してきた三十男だ。

 席が近いということもあって、ひろたりあん通信の手伝いもしてもらっている。現在、2007年度保存版の制作作業で寝る時間もない宮澤担当に、使いっ走りのようなことをさせられている。はなはだ気の毒に思うが、本人は、いつもニコニコと笑顔を絶やさず、仕事に精を出す好漢、それが大塚君である。

 結構ハードなスケジュールを強いられることもあるのに、決してあくせくせず、肩の力を常に抜き、リラックス(脱力感漂うと言い換えてもいい)して仕事をこなしている。

 この大塚君、新聞配達業務をしていた頃は、それなりの消費生活をしていて、貯金とは縁遠かったようだが、配達業務を離れてからは、消費することも少なくなり、かなりの貯金をそのお腹周りに蓄えたようだ。

 端的に言えば「太った」ということだが、「腹周りの不自由な人」なんて、心ない人間(実は私)に揶揄されても、決して怒ることなく笑顔を崩さない。そんな大塚君の姿を見ていると、なぜか「ムーミンパパ」を思い出し、束の間のやすらぎの時間が、私の周囲に流れるのだ。

 そんな彼が「港北の湯」というスーパー銭湯を見つけ出してきた。「いやあ、癒されましたよ」『天然癒し系』の大塚君すら癒されるなんて…。「港北の湯」に俄然興味がわいてきた。かなりストレスが溜まっているらしい、宮澤担当でも誘って出かけてみようか。


★          ★          ★

  「港北の湯」というスーパー銭湯が、先月にオープンした。この「港北の湯」は、第三京浜・港北インターそばにある。港北インターといえば、この秋にできた「イケア」が何かと話題だけれど、この「港北の湯」の立地は、港北インターと「イケア」のちょうど真ん中にある。

 九月のある日、FMラジオを聞いていた。交通情報で「第三京浜・港北インターで上下線渋滞…」だという。続けて「大型量販店の開業に伴う…」と、交通情報であまり聞かれない言い回しをする道路交通情報センターのアナウンサー(そういう言い方が正しいかどうか不明だが)の言葉に、思わず笑ってしまった。

 なんで「イケア」の三文字が言えないのだろう? そうか、宣伝になっちゃうから「イケア」と言ったらイケアいんだ(失礼)。と、一人頭の中で駄洒落入りの自問自答をして、納得してみた。

 その数日後、たまたま「イケア」の前を通ることがあった。やはり、道路は混んでいる。道路だけでなく、入庫待ちの車もいっぱいだ。しかし、今日は所用があって、たまたま通っただけだ。せっかくだからという考えもあったが、また今度来ることにしよう、と自分を納得させ、目的地の方向に向かおうとした。そして、ふと道路の反対側に目をやった。すると、「港北の湯」という看板をつけた、建物が目に入ってきた。建設中のシートがかかった状態で、まだ営業はしていない様子だ。

  そうだな、「イケア」だけに来るというのは、男の自分としては理由が「日光の手前」だな! もとい、今市(イマイチ)だな。お風呂と「イケア」をセットに来てみることにしようと、近い将来の予定を、カビの生えたギャグ入りで頭の中で組んでみた。(ちなみに、平成の大合併で、今市市の地名はなくなっちゃいました)

 さて十月になり、編集会議の席上、NTC南店の杉本担当が「イケア」と「港北の湯」をセットにして特集記事にしたらどうかという提案をした。

「あれ、奇遇だなあ、僕も考えていたんです」

 正確には「セットで遊びに行こうと考えていた」だが、多少見栄は張らせてもらわなくちゃ。

「『イケア』は、大手マスコミに任せて、うちは『港北の湯』一本でやってみたらどうだい?」というキャップの一言で、十二月号の特集は「港北の湯」に決まった。

 ところが、いささか問題が。

「ところで、オープンはいつだい?」

「まだ、十一月中ということしか、決まってないみたいなんです」

「ガクッ」

 まあ「出たとこ勝負が、編集部の伝統(キャップの弁)」ということで、この取材は、杉本、同じくNTC南店の廣瀬、そして僕(大塚)の三人に、任されることになった。

「大塚さん『港北の湯』十一月八日に、オープンするって! インターネットで出てたよ」

 廣瀬担当から連絡が入った。その言葉を聞いて、ひと安心。某日、開店間もない「港北の湯」を訪れることとなった。

大塚「お酒のディスカウントストアさんがスーパー銭湯「港北の湯」を始められたんですね」『港北の湯』の経営母体は、酒・食品などの大型ディスカウントストアをチェーン展開する潟cカサさん、ちなみに『港北の湯』の隣にもお店がある。

店長「はい、お客様に喜んでいただけることならと」

杉本「オープンがだいぶ延びましたよね」

店長「はい、お客様には大変お待たせしました。やっと開店できました」

杉本「こちらのウリはなんですか?」

店長「それは『高濃度炭酸泉』です。炭酸ガスを溶け込ませ、非常に身体があたたまるというお湯です。現在は井水(地下水)を使っていますが、ここの水には、多量の炭酸ガスを含ませることができています。水質によって炭酸ガスが溶け込む量が違います。ほかにも、たくさんオススメがありすぎて…」

廣瀬「入り口すぐのエレベータホールに、来春、温泉導入予定と書いてありましたが?」

店長「はい、現在、その予定ですすめております」

 お話を伺っている間も、店長の無線イヤホンに幾度も連絡が入る。

一同「お忙しいところ、ありがとうございました」

店長「今回は、本当に特別なんですが、これ(入浴券)で、入っていってください」

一同「えっ! いいんですか?!」

 店長の粋な計らいに、甘えさせていただくことにした。

 この「港北の湯」は、4階建ての建物で、1階が駐車場。2階は受付とお食事処その他。3階が男風呂。4階が女風呂になっている。(駐車場は、お酒のディスカウント「ツカサ」さんのも利用できるそうです)

 食べ物は、食べてみなければ読者に伝えられない。お風呂も、入ってみなければ良さを伝えられない。「おまえら、いつも、遊ぶだの、食べるだの、自分らが得する企画しか出さないよな」とキャップは嘆くが、その後の原稿書きの苦痛を考えたら、先に元を取っておこうと考えるのは当然だ。

 そういうことで、勤務中ではあるが、お風呂に入らせていただくことにした。タオルなどを持ってきてなかったが、ここはスーパー銭湯「港北の湯」。お風呂に入るための小物は、ここで調達できるのだ。僕は、タオルとバスタオルの2つを自販機で入手した。もちろん代金は後で取材費として精算してもらおう。自販機には、なにやらいろいろな商品名が並んでいる。どんなモノがあるかって?それは「港北の湯」に来てのお楽しみということで。

 お風呂の施設のフロアに向かう。エレベータもある。バリアフリーにも気を遣われているようだ。とはいえ、まだまだおじさんとは呼ばれたくない三十代の三人組。矢印の方向に歩いていくとそこは階段。一般住宅の天井よりずっと高いので、踊り場が三カ所ある長めの階段は、少ししんどかった(えっ、僕だけ? 体重のせい?)。

 更衣所で服を脱ぎながら、廣瀬担当としばらく喋っていると、杉本担当の姿がない。もう、お風呂場に行っている様子。さすが、仕事も早いが、風呂に入るのも早いね。と意味不明な言葉を発した、僕大塚は根がのんびり屋なので、まずは、しっかり身体を洗う。マナーですよ、マナー。

 そうこうしているうちに、全身真っ赤になった杉本担当の姿が。

「初めは、ぬるいかなと思っていると、結構あったまるんだよね!」と、露天風呂である「高濃度炭酸泉」を早くも堪能してきたらしい。それを聞いた廣瀬担当、身体を洗うのもそこそこに、ドアを開けて露天風呂に向かう。

 いきなり露天じゃ、もったいないじゃん。だから僕はまず内風呂の「不思議の湯」に入ってみた。体温と同じぐらいの低めの温度になっていて、副交感神経を刺激し、リラックス効果があるという。江戸っ子ではないが、東京生まれ東京育ちの自分的には、副交感神経が刺激されるという感覚がよくわからない。残念。でもリラックスできるのは保証する。

「おまえなんかいつだってリラックスしてるじゃんか!」という声にすら反応しないくらい弛緩している僕であった。

 次に、痩身効果という文字に惹かれて「エステバス」へ。強力ジェット水流で、お腹まわりの余分なものがプルプルと揺れる。とはいっても、痩身効果が瞬時に現れるわけではないが、プルプル揺れる余分なものの、あまりの量の多さに今更ながら驚いて、ダイエットの実践を固く誓うという効果は僕にはあった。

 温まったところで、露天風呂に。しかし、平日の日中とはいえ、ここのお風呂の良さを解っている常連さんらしき方々が、「高濃度炭酸泉」に数名。少し遠慮があるので「露天替わり湯」へ入る。案外僕は謙虚なのだ。この日は、コエンザイムQ10が入ったお風呂だった。健康食品の飲むコエンザイムは経験があるが、化粧品などは使わないので、「これが、コエンザイム風呂かぁ…」などと、つぶやきながらお湯を楽しむ。ちなみに、後日、写真撮影に伺ったときは、ワイン風呂だった。

 しばらく入っていると、二人が入ってきた。「あっちの、岩盤寝ころび湯、おもしろいよ」行ってみると、一人ずつ寝ころぶ枠があり、敷き詰められた岩盤にお湯が流れていて、しかも、その岩盤が温かい。ほかでは、見たことがないオリジナリティーの溢れるお風呂だった。

 次に入ったのが、「トルマリン塩サウナ」いわゆる中温サウナなのだが、座面と背面にトルマリン鉱石を使っているそうだ。入り口で、塩を身体に塗る。

「大塚さん、いつもの癖で、塩まかないでよ」オレはお相撲さんか! でも杉本担当のイヤミが、僕の体型を揶揄しているのは理解できなくはない。ダイエットの誓いは更にいっそう強くなる。

 乾式サウナが少し苦手な僕であるが「トルマリン塩サウナ」なら長く入っていることができる。汗をかいたので多少目方が減っているかな。ここを出る前に、身体に付いた塩を流すためのシャワーがあり、汗と一緒に脂肪を流した…つもり。

 トルマリン塩サウナを出てすぐにある「つぼ湯」に浸かる。この湯船の陶器は、信楽焼なんだそうだ。

「あれまあ、信楽焼の壷の中に、信楽焼のたぬきが入ってるよ」

この杉本め、余計なお世話である。

 つぼ湯の隣にあるのが、なにやら濁り湯のような不思議な「シルクの湯」。「高濃度炭酸泉」とは違って、微妙な気泡を溶け込ませているらしい。炭酸カルシウム的なものとは全く別物の、白いお湯だった。

 一応、苦手であるが乾式の「本格タワーサウナ」にも入ってみた。入り口が低い位置にあり、段が高い位置ほど温度が高くなるよう作られているそうだ。せっかくなので、一番高い場所に座ってみた。一分は我慢できたが、それ以上は無理だった。サウナ好きには、堪らない温度なのだろう。でも、また少し目方が減ったかな?

 最後にメインイベントとして残しておいた(?)「高濃度炭酸泉」に入る。杉本担当の言ってたように、確かに他のお湯よりぬるく感じる。でも入ってみてわかったが、これは、温度が高かったら逆に入っていられない。温熱効果が半端ではないのだ。炭酸ガスと聞いて「自宅で市販の入浴剤使えば、入れるよ」と思っている方もいるであろう。とんでもない。そんなのと一緒にされたら困る。それが、素直な感想だった。

 あちこちの日帰り温泉・温浴施設を経験しているが、絶対また来ようと思えるところはそうはない。個人的に必ずまた来たいと思った。ただ、杉本担当との同行だけは遠慮したい。
                                         (大 塚)

「港北の湯」

第三京浜・港北インターすぐ 第三京浜入り口交差点角

「イケア」のはす向かい。

平日 大人(中学生以上)680円   

子供(4歳以上) 350円

土日・祝祭日・特定日  大人880円 子供450円

※おむつのとれていないお子様 はご入浴できません。

http://www.kohokunoyu.com/

 

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