| ■ひろたりあん通信バックナンバー |
| ▼2008年7月号 |
| 夢の吹く丘 〜都筑の丘のすばらしき人々〜 |
|
■セーリング競技・レーザー級 北京オリンピック代表選手 飯島 洋一 さん ![]() 保木、地元の方は「ほうぎ」と呼ぶ。 早渕川の源流、現在の住所は美しが丘西である。 この保木の地名について面白い話が残っている。地名推理を最初から読まれている方はお馴染みの話なのだが… (昔、早渕川の上流一帯が大水で湖のようになってしまったとき、土地の人は、木に帆を張った舟を出して行き来した。それで集落の名を「帆と木」で「帆木」と呼ぶようになり、それが「保木」になったという) これはあくまでも言い伝えなのだが、すぐ近くの「船頭」の地名とあいまって、地元では意外と信じられている。 夢はオリンピック 小学校は元石川小学校、中学は山内中学校を卒業。高校時代は神奈川ユースヨットクラブに所属し、国体優勝2回、04年は、五輪代表を逃すも、06年ドーハ・アジア大会の銀メダルを獲得。そして今年2月、オーストラリアで開催された世界選手権において、日本人最上位の成績で北京五輪代表の切符をついに手に入れたのです。 保木で生まれ育ち、まさに帆(セール)を張った艇(ふね)を操って、世界の大舞台に立つという夢を叶えたのです。 セーリングというと、ヨットをイメージされる方が多いのですが、ヨットは、セーリングに用いる艇種のひとつの形態で、艇種はウィンドサーフィンから2人乗りの470級、3人乗りのイングリング級など多種にわたります。因みに、北京では9艇種、十一種目のレースが行われるそうです。 「日本でメダルが期待できるのは、470という二人乗りの種目なんですけど、これは自分でいろいろ改造ができるので、日本の技術を生かせるんですよ。470がF1(自動車レース)だとすると、レーザーはマラソンですかね。レーザーの場合、世界選手権に行くと、全部主催者が艇を用意するので、身体ひとつで行って、お金もかからないんです。ですから、参加国が70カ国くらいあるんですよ。世界一の規模のレースと謳ってますけど、70カ国のオリンピックの予選というのは、他のスポーツにも無いらしいですね」 徒手空拳、自分の体力と経験がものをいう種目だといえるでしょう。 「レース会場の青島(チンタオ)は九割がた風が無いんですね。だからオールラウンドに走る必要がないから、みんながダイエットしてくるんですよ。逆に風が強い時は体重があるほうがいい。ただ、190センチの人は体重70キロにはなれないから、僕らのように背の低い人の方が有利ではありますね」 身長のわりに大きくみえるのは筋肉のせいでしょうか、太ももは市販のウェットスーツが入らないほど鍛えられていました。 「体調管理も技術のうち、クーリングダウンの仕方とかアイシングとか、コーチからは、どうせマッサージ師がついてきてくれるわけ無いんだから自分でどうにかする方法を見つけろって、言われましたね。栄養や医学の話は、日体大かって言われるくらい知ってますよ(笑)」 庭の水神さま 「一人でスウェーデンの選手のところに合宿に行ったんですけど、その人が、日本かぶれで武士道とかに凝っていたんです。それもあって可愛がってもらったんですけど…、練習が終わったら、今日は座禅に行くぞ!って。普通のアパートの部屋に入ると、キリストさんがいて、その隣のピアノの上にお釈迦様が置いてあるんですよ。そこでみんなでお経読んで、2時間座禅させられました。(笑)」 スウェーデンで座禅?経験できるものではありません。その体験談だけでも本が何冊か書けそうです。 海外遠征で「精神的に鍛えられました」と笑う飯島さん。あと20日と迫ったオリンピック本番にも、気負いが感じられません。 「選考レースは試験、今度は発表会という感じなので、今回の方が楽ですね」 インタビューの途中、5年ほど前に飯島さんのお宅を訪ねたことを思い出しました。その際、庭の祠に祀られている、竜王が剣先をのみこんでいる迫力ある倶利伽羅不動尊を見せていただきました。飯島さんにそのことを話すと、「昨日、お神酒をあげて(オリンピック出場)を報告してきました」とのこと。 倶利伽羅不動は、早渕川の源流の滝を守っていた水神さまです。源流の地、保木が生んだ海の男に水神さまが力を与えてくれないはずはありません。 7月7日、七夕の日の朝、母校「元石川小学校」の朝礼で飯島さんが挨拶をされました。オリンピック出場の夢を叶えた大先輩のひと言、ひと言に耳を傾ける子どもたち。校庭に飾られた笹には、「金メダルをとってください」と、書かれた短冊がいくつもの下がり、南風にはためいていました。 『飯島洋一さんを応援しよう』元石川親父の会、横断幕制作のページ
|