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「日曜日はカレーの日」わが家ではそう決まっているらしい。
決めたのは妻で、「休日くらい家事に楽をしたい」というのが根拠のようだ。
まあ、娘も私もカレーは嫌いではないし、あえて異を唱えて、せっかくの休日を不毛な争いごとで台無しにしたくはない。よくは知らぬが、カレーは余り手間がかからぬ料理らしい。
新婚当時だ。ある休日、妻がカレーを作るという。カレー粉を炒め各種スパイスを加え…「本格手作りカレー」のレシピ片手に悪戦苦闘し、ようやく食卓が整った時は9時を回っていた。飢え死に寸前の私は、早速ひと匙すくって口の中に入れる…、目の前の若かりし妻が夫の一言を待っている…。
この時ほど葛藤にさいなまれたことはない。私の舌が凡庸なせいだからかもしれぬ。しかし、このカレーを未来永劫食べ続ける不運に私は耐えられるだろうか? 正直を美徳とすることは罪悪なのか? 意を決して「あんまり美味くない」
正直に言えば後悔している。妻の意識下に刷り込まれた「思いやりのない夫」からもたらされる不運に、未来永劫耐え続けねばならぬのは辛い。ただ、言いたいのは、技術の裏付けなしに、本格的な調理に長時間を費やすなら、市販の調味料を上手に使って、残った時間を家族団欒に使う方が賢いのではないか、ということだ。
今回元板前の佐藤担当が、魚料理のコツを伝授するらしい。家庭団欒に役立てばいいと思う。
あれから妻は、市販のルーでカレーを作る。残った時間は、私への小言を並べ立てるために活用している。
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はじめまして。入社一年目でやっと特集の企画を手がけることになりました、美しが丘店の佐藤道成です。今回は不肖ミチナリが本格的なお料理の記事に挑戦してみたいと思います。それも、今迄のひろたりあん通信の紙面にはありそうでなかった、釣りと料理の情報を一挙に載せてしまうという画期的なもの。題して「釣った魚を美味しく食べよう」です。
料理の記事などというと、本職の方には笑われてしまいますが、実は私、前職は板前さん。ですから、ひろたりあんのスタッフの中ではそこそこ料理ができます。 釣り好きの旦那さんの、珍しい大漁日に、「う〜ん、どうやって料理すればいいの?」なんて、悩んでいた奥様方に「へぇ〜」は無理でも「ふぅ〜ん」ぐらいは思ってもらえるよう、頑張ってみたいと思います。もちろん今晩の献立のヒントにでもしていただければ本望です。
七人の精鋭?
今回の食材は釣った魚なので、食材を仕入れるべく、『本牧海づり施設』に足を運びました。人差し指位のシコ鰯や鯵、鯖等が今日のターゲット。色んな魚種が釣れれば釣れるほど料理に記事にボリュームが出ます。逆に「釣れませんでした」では済まないということで、七人の精鋭でいざ釣らん!
仕掛けの小網にコマセ(餌)を詰め、海に落とし入れ、底に着いたら軽く糸を巻き上げ、竿を二〜三回しゃくってコマセを撒き、あとは待つ。代表的な釣り方の『サビキ釣り』です。およそ三時間の間に何十回×六人と繰り返したこの動作(いや、もはや重労働。それが釣りの醍醐味でもある)。 釣り始めの三十分は、今回美味しくいただく予定のシコ鰯が釣れるは、釣れるは…。最初は、一発ギャグの某お笑いタレントのようにちやほやされていたのに、時間が経つうち、「あ〜、またおまえか」と、手のひら返しのつれない態度。そんなわれわれに怒りを抱いたか、一時間ほどで鰯はぱったりと釣れなくなってしまいました。
そんな私も糸を垂らしながら置き竿をして、睡魔に負けてうつらうつらとしていたら、「兄ちゃん、それ引いてんじゃない?」と隣のおじさん。気が付けば竿先はグイグイと引っ張られていて、明らかに先の鰯君達とは違う手応え。「鯖だね♪」水面から見えたそいつは諦めず必死に逃げようとする待望の鯖。「逃がしてなるものか、鯖の味噌煮!」と糸を巻く。
「獲ったど〜!」と、めでたく鯖君を釣り上げほっと一安心。時同じくして、仲間の竿もしなりだす。「群れが来たね〜♪」どうやら鯖ご一行様が回遊してきたらしく、その後もコンスタントに釣果を重ね、気付けば十数匹。思いがけない大漁に、それならと、早速干物作りを開始。
まずは鯖の干物
鯖の生き腐れと言われるほど、鯖は鮮度が落ちるのが早いです。釣り上げたらまずは首を折り、同時にエラを取ります。汲み上げた海水の中で体をくの字に曲げ、血抜きをします。一見残酷ですが、やるのとやらないのとでは、味にはかなりの差ができるのです。
十分血抜きができたら、氷入りのクーラーボックスにいれておけばOK。今回は干物なので、血抜き後に頭と内臓を取り、背中の方から包丁を入れて開きにします。軽く塩を振りかけて風通しの良い所で放置しておけばいいんです。これだけです。
天候にもよりますが三〜四時間もあれば【なんちゃって干物】の出来上がり。残念ながらこの干物、ご家庭で作ろうと思ったら、ちょっと大変。常に吹き続ける海風と太陽がないと、作れません。地方の海岸沿いに、美味しい干物屋がたくさんあるのはこのためです。
朝一番から夕方まで頑張って釣れた魚は、数え切れないほどのシコ鰯と鯖十四匹、セイゴ一匹。納得の釣果で納得の釣果で帰路に着きました。
まずは下準備
釣ってきた魚達。とにもかくにもまずは下ごしらえ。料理に必要の無いものは除いてしまいましょう。
まずは小魚の鰯。体に似合わず大きな鱗ですが、溜めた水の中で二〜三回かき混ぜれば簡単に剥がれます。新しい水で同じ工程を三回ほど繰り返せば、ほとんどの鱗は剥がれ落ちます。この作業は海で釣り上げたときに、海水とバケツでやっておくと台所も汚れませんし、水道代も節約できます。後は手でも包丁でもどちらでも良いので、頭と内臓と尾びれを除きます。水道の流水で腹部の血合い部分を洗い流せば完了です。
セイゴや鯖等の魚も基本的にやることは同じです。当り前ですが魚体が大きい分、骨は硬いので包丁を使いましょう。セイゴの鱗は細かく硬いので、専用の鱗引きなどあれば作業もしやすいです。
魚を洗い終わったら余計な水分はふき取り、三枚に下ろします。 頭部を右、腹部を前にして腹側から中骨に向かって包丁を入れ、反対向きにして次は背側から中骨に向かって包丁を入れます。ひっくり返して今度は背側から、次いで腹側と包丁を入れます。セイゴや鯖くらいならこれで十分下ろせます。
以上が大まかな下準備ですが、家事に忙しい奥様方が料理を作るのに、こんなことしていたら大変です。通常、魚屋さんやスーパーの鮮魚売り場なら、お買い上げで三枚下ろしまでやってくれるので活用してください。
料理スタート
さて、ここからいよいよ料理作りですが、その前に一つだけ注意点があります。これから作る料理にレシピはありません。
私の持論なのですが、一般的な料理のレシピのように、出汁1カップに醤油30tみたいな感じで調味料の分量を見て作るメニューがあると思いますが、その通りに作れば確かに「美味しい」って言われます。でもね、私だけかもしれませんが、それってなんか、あんまり嬉しくないんです。なんか、自分が褒められた感じがしなくて。だから分量はおよその割合です。この記事を読んでいただいた読者の皆さんが、作った料理はみんな似て非なるものだと思います。美味しくてもそうでなくても、一度といわず二度、三度、色々アレンジしながら作ってみて、「美味しい」って言われたときの喜びをかみ締めていただけたらと思います。
セイゴを食らう
セイゴは、出世魚のスズキの若魚のことです。大きさで呼び名が変わり、セイゴ、フッコ、スズキと続きます。もちろん釣りたて新鮮、シンプルに【刺し身】でいただきます。中骨、腹骨を除き、皮を剥ぎます。
包丁で皮を剥ぐ作業はかなり難しいので、無理をしないで鱗を取った皮目に熱湯を掛け、直に氷水に落とせば大丈夫です。包丁の刃の全体を使って一気に引いて削ぎ切れば、セイゴの刺し身のできあがりです。
鯖を食らう
さて、これからが本題です。新鮮な鯖なので、まずは【〆鯖】をつくってみます。三枚に下ろした鯖に、塩をまぶします。べったりと。鯖の旨味を引き立てるのと、脱水、殺菌も兼ねています。余計な水分が落ちるように網の上に置いて、三十〜四十分程そのままに。
その間に漬け込む酢を作ります。そのまんまのお酢でもいいですが、隠し味に砂糖と醤油を少々入れて、昆布の切れ端を入れておきます。酢は冷たい方が良いので使う分だけ冷蔵庫で冷やしておいてください。時間が経ったら塩を洗い流し、酢に漬け込みます。最低でも三十分、長くても一時間くらいは漬けておき、引き上げた後余分な酢はキッチンペーパーなどで拭き、中骨、腹骨を取り除き頭の方の皮を摘み、尾の方に向って剥ぎます。皮が上手く剥げないようなら皮目は火で炙るか、フライパンで軽く焼けば、また違った美味しさの炙り〆鯖になります。
続いて二品目は定番【鯖の味噌煮】です。鯖が隠れない程度の水を張り、そこに水の一割ほどの酒と生姜を入れ火にかけます。出てくる灰汁を取り除きながら、全体の煮汁の一割ほどの醤油と味醂を入れ、下味をつける感じで少し煮込みます。
少し分かりにくいかもしれないので、比率で書くと、水、酒、醤油、味醂が10対1対1対1くらいです(隠し味に砂糖を少々)。後からお味噌が入るので薄味で大丈夫です。少し煮詰めますが、この時点で、鯖が煮汁から少し顔を出すくらいが良いので、余分な煮汁は灰汁と一緒にすくって下さい。残りの煮汁の二割くらいの味噌を用意して煮汁でのばし入れます。味を見て、完成時の二歩手前くらいの味に調整しておきます。少し甘めが美味しく仕上げるコツです。弱〜中火でたまに鍋を揺らし、煮汁が二割ほど煮詰まる頃には、味噌にもとろみがつくので完成です。そのまま一度冷ませば、味も馴染むのでさらに美味しくなります。
三品目は【竜田揚げ】です。醤油と味醂を同量で合わして、おろし生姜と唐辛子を少し入れた調味料に一口大に切った鯖(骨を除いておくと食べやすい)を三十分ほど漬け込み、ざるで調味料を切ったものに片栗粉をまぶし、一六〇度くらいの油でじっくり揚げます。味醂が入っているので、あまり高い温度ですとすぐに真っ黒になってしまうので、取り上げる直前に少し高い温度で仕上げれば、色も油切れも良く仕上がります。調味料に漬け込まなくても、干物の鯖なら同じ要領で唐揚げが作れます。
鰯を食らう
今度は【鰯の梅煮】です。鯖の味噌煮と同じ要領ですが、調味料の割合が、水、酒、醤油、味醂、酢が7対1対1対1対0.5くらいです。ひたひたの煮汁で、鰯と一緒に大根と梅干数個も煮付けます。煮汁を半分くらい煮詰めれば出来あがりです。少し濃い目の味ですが、梅干の酸味が利いていて、ご飯の進む味付けになります。鰯の代わりに旬の秋刀魚でもいいと思います。
もう一品は【鰯つみれ】です。包丁で下処理した鰯を骨ごと叩く。混ぜる。とにかく叩く。疲れる前に、微塵切りした生姜と葱と味噌を少し入れて、更に叩く、叩く。疲れたら終了です。団子にしたらボイルして出来あがり。熱々を生姜醤油で食べるも良し、お吸い物の具にしても良しです。
料理を終えて
板前さんの時は、当たり前のように作っていた料理ですし、今回も美味しく作れたと思います。細かな作業は割愛しているので、記事として文章にするのは大変な作業だなーというのが、率直な感想です。この記事を読んで実際に作ってみてくれた人に、参考になったかな? 分かりにくかったかな?
普段料理をされている主婦の皆さんからは「美味しく出来ないじゃない」って言われるかなー、と少し心配です。文章足らずで申しわけありません。もし、美味く出来たという反響が多かったら、味を占めて第二弾の料理特集にも挑戦してみたいと思います。
(佐 藤)

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