■ひろたりあん通信バックナンバー
 2008年4月号
 まわる、まわる、まわる油はリサイクル♪
   青葉リサイクルプラザ せっけん作り体験記

 無駄遣いをすると妻に叱られる。

 先日も、ある歌手のCD10枚組、28900円也を購入したのだが、早速妻の説教の餌食となった。ストレス解消を兼ねているのではないかと疑いたくなるほど、小言や嫌味で私を長々と執拗に責めたてる。

 「これこそ時間の無駄遣いじゃないか?」と反論したいが、その一言がさらに「時間の無駄遣い」を増長させるのを長年学習してきた私は、沈黙と忍耐を選択する。それにしても、少ない小遣いを血を吐くような思いでやりくりし、念願を成就させた私のどこに罪があるのか? 

  でも妻は「そんな無駄遣いできるほど、お財布に余裕があるようね。少し家計の方にまわさせてもらおうかな」と、理不尽極まりない必殺攻撃を仕掛けてくる。 長年学習してきたが、学習能力が低い私は、ここでキレた。

「きみの健康器具コレクションは、無駄遣いの象徴とは言えないのか?」

 健康器具といえば聞こえはいいが、要は「努力不要のダイエット器具」である。通販商品に一縷の望みを託しては挫折を繰り返す、その歴史が妻の無用のコレクションなのだ。

 「健康への投資は無駄遣いじゃないでしょ!」と屁理屈を防具にする妻との泥仕合に突入するのだ。

 荏田西に青葉リサイクルプラザがあって、リサイクル品が安く手に入るらしい。結局、小遣いを減額された私は、これから欲しい物がある時はここを訪れてみようかと思う。資源の無駄遣いを軽減させる効果もあるだろうし。それにしてもわが横暴なる妻め、彼女をリサイクルに出せたらいいのに…と切実に思う私である。

 

★          ★          ★ 

 田園都市線が江田の駅を出ると、市ヶ尾までは国道二四六号と並んで走ります。その日も、いつものようにぼんやりと車窓の向こうを眺めていました。

 「島忠…紳士服のコナカ…青葉リサイクル…プ…えっ!」

 グリーンの屋根の白い建物に書かれた文字を読み直そうとしたら、二四六号がググっとせり上がってきて、目の前は真っ暗になりました。

「リサイクルプって何だったんだろう?」市ヶ尾店に戻ってから同僚の中村担当に訊いてみました。

「ああ、青葉リサイクルプラザでしょ。聞いた話じゃ、粗大ゴミが修理されて安く売られているらしいよ」との答え。

「粗大ゴミ…ですか?」

 3月は引越しシーズン、町中で引越業者のトラックをよくみかけます。象やアリやパンダやクロネコ(なぜか動物が多い)のトラックが荷物を積んで行ってしまったあとには、粗大ゴミがドーンと出ています。次の家の間取りに合わないとか、この機会に新しいものに買い換えようとか、いろいろな理由があるわけですけど、まだまだ使える物も残っていて、(もったいないな〜)と思うこともしょっちゅうです。

「そういえば、昔は粗大ゴミなんてタダでもって行ってくれましたよね」

「これからは捨てる時代じゃなくて、再生利用する時代。そのためにお金がかかるんだよ」 とは、ひろたりあんの「ゴミ」…、じゃなくって、「ゴミの宮澤」こと、宮澤高丸氏の言。(中田横浜市長が衆議院議員時代、ゴミ問題のエキスパートとして自称した「ゴミの中田」を畏れ多くも名のっている。)

 なるほど。でも、どんな物が、どんな状態で、どれくらい安く売られているんだろう? 俄然興味がわいてきた私は、中村担当を誘ってリサイクルプラザに行ってみることにしました。

 その前に「青葉リサイクルプラザ」がどういった機関によって運営されているのか、インターネットで調べてみました。

 現在横浜には、廃棄物の減量化及び循環利用による資源化や、廃棄物の処理事業の円滑な推進を行うために設立された行政機関があります。

 『財団法人 横浜市資源循環公社』です。桜木町に本社はあります。

 ここの仕事は、みなさんご存知の家庭ごみの受け入れ、積み替え及び運搬業務。粗大ゴミの受付収集業務(市内5区)並びに市民自己搬入(有料)の受け入れ。他にも、公共事業等から排出される残土の受け入れ・監視・検査等の業務など様々な事業を行っています。 

その中のひとつが「リサイクルプラザ管理運営事業」なのです。

 

青葉リサイクルプラザ
 住所は荏田西1-5-16、国道246号沿いですが、入口は青葉郵便局そばの富士塚公園の前にあります。

 駐車場奥の建物の前には、「グリーンコンポスト」という土壌改良材が売られていました。ごみの資源化施策のひとつとして、市内の公共工事等で発生する樹木のせん定枝を粉砕して、堆肥化したものだそうです。十キロたったの280円、五キロでも140円! 安い!ガーデニング愛好者の方にはお勧めです。

 中に入り、まずは2階へ。ここで、僕たちは驚くべき真実を目の当たりにしました(ちょっと大げさですね)。

 2階のフロアには、百点以上の家具が展示されていました。その一角に立つと、まるでどこかのデパートの家具売場か!と錯覚するほど。どの品物もピカピカです。しかし、これらはまぎれもなく中古品。再利用可能な物を選定して、修理・清掃されたものなのです。新品のようにキレイな家具が並んでいますが、違っているのは、値札に書かれた価格。本棚千円、テーブル千円、椅子が五百円。所長の青山さんにお聞きすると、十万円以上はするタンスが3千円になったりするときもあるそうです。そう、二万円もあれば、マンションの家具は一式揃ってしまいます。

 そんな立派な品々ですが、すぐに購入できるというわけではありません。抽選です。もちろん、オークションみたいに最高値をつけた人が落札するというわけではありません。

 購入したい人は所定の用紙に欲しい物を記入して1階に置いてある箱へ投函します。そして、抽選は翌月の第一日曜日午後二時から公開で行われます。

 個人情報の関係で、名前を出してもいい人以外は「市ヶ尾の人が当選しました」というふうに呼ばれます。

また、当日参加しなくても当選者には郵送で知らせてくれるそうです。

 ほかにも、欲しい物、売りたい物が書かれた紙が貼ってある「不用品情報板」や、いらなくなった本を持ち寄る「リサイクル文庫のコーナー」がありました。私も気になるタイトルがあったので、スタッフの方にお断りして、一冊頂いてきました。

 

せっけん作り
 リサイクルプラザでは、こうした家具販売だけでなく、「せっけん作り」「紙すき」「エコぞうり作り」「PPバンド(梱包用のヒモ)での籠作り」「包丁ハサミ研ぎ」など、さまざまな講座や教室を開いています。それぞれ100〜200円の材料費のみで、申し込むことが出来ます。

 私たちは、所長の青山さんのご厚意で、その中のひとつ、「せっけん作り」を見学・体験させていただくことになりました。

 せっけんは、基本的に油とアルカリを反応させて作ります。ただし、ここはリサイクルプラザ、使うのは廃食油、つまり家庭でてんぷらなどに使った食用油を使うのです。

 まず、ザイフェと呼ばれるミニプラント(キャスター付きの大きな釜にスクリューのような撹拌棒?が付いたもの)に廃食油を二十リットル入れて加熱します。

 この廃食油は、四〜五名くらいの主婦のグループが「せっけんを作ってください」と持ち込んだものだそうです。みんなで持ち寄った20リットルの廃食油が、なんと約3.7キロの粉せっけんになるのです。グループの方は、出来上がった粉せっけんを地域のイベントで出したり、近所に配ったりしているとのことでした。

 廃食油を加熱しながら、あらかじめ作っておいた苛性ソーダ水溶液を三回に分けて添加します。添加しながら撹拌していくとエスプレッソのような泡が出てきました。それがじょじょに固まりだすと、まるで焼きプリンのよう、グルグルとまわりながら廃油が次々と姿を変えていく、その変化をしばらく楽しみました。

 反応(油の中の脂肪酸とアルカリがくっついて、グリセリンが分離する)が進んでいくと約二時間でせっけんが出来上がります。

 粉せっけんにするには、出来上がったせっけんにソーダ灰を加えて混ぜ合わせます。三十分くらい撹拌したら、これをよく乾燥させます。この乾燥に時間がかかるのです。全工程で約四時間、夏など湿気があるときは五時間ぐらいかかるそうです。

 乾燥が済んだら万能粉砕機に二回かけ、きな粉のようなクリーム色のキレイな粉せっけんの完成。職員の黒澤さん、吉川さん、お疲れ様でした。

 黒澤さんたちは、ふだんは搬入された家具などの修理や仕分けをされています。

「家具をきれいにして、それを取りに来た人が喜んで持って行く、それが嬉しいね」と笑顔で語る黒澤さん。

 プロ野球の野村再生工場ならぬ、家具の再生工場。しかし、ここの名監督は毒舌無しの優しいおじさんでした。

 大さじ一杯の廃油を魚が住める水にまで薄めるには、風呂桶十杯のきれいな水が必要とのこと、この廃油のリサイクルは資源の有効利用というだけでなく水質汚濁の防止にもつながっています。

 出来上がった石けんの品質は、JIS規格を充分クリアー。添加物も入っていないので、ジーンズや靴などの洗濯、換気扇洗い、洗車にと広く利用できます。こうしたせっけん作りの講座は毎月開催しています。

 

 

多彩なイベントとフリマ
 青葉リサイクルプラザは、今年で一六年目を迎えます。去年の夏休みに開催された「親子リサイクルまつり」というイベントでは、一五品目ゴミ分別クイズや、花火大会で不要になったうちわに絵を描くコーナーなど、子どもたちも大喜びだったそうです。

 今年も夏休みに、多彩なイベントの企画があるそうです。そしてなんといっても、毎年行なわれるフリーマーケットは見逃せません。

 今年は5月24日(土曜日)に開催されます。出店料が無料ということで、前回はなんと38ブースもの出店がありました。

 リサイクル家具の即売会とグリーンコンポストのサンプル配布もあるそうです。

 知らないと損する「リサイクルプラザ」ぜひ皆さんも活用してみてください。
                                    (藤 原)


青葉リサイクルプラザ

青葉区荏田西1-5-16

電話 045-911−6255

開館時間 9時〜16時半 毎月 第一水曜日

     休館 (1月のみ、第二水曜日)

※フリマに出店を希望される方は、往復ハガキでの           申し込みとなります。(5月15日必着・抽選)



 今年2月4日から、燃やすゴミが週三回から週二回に、古紙・古布が月一回から二回に変更になりました。

 「ヨコハマはG30」を合言葉に進められてきた減量・リサイクル運動も今年で四年目、市民の皆さんの努力の結果、ごみの量を36%減らすことができました(13年度比)。その結果を踏まえた上での今回の収集回数変更ということになります。

 収集回数を減らしたことで約3億8千万円の経費削減効果があるそうです。

 先日、伊勢佐木町で開かれた「古紙リサイクルの現状と民間回収事業の可能性」という勉強会を取材してきました。主催は横浜市資源リサイクル事業協同組合。

 横浜市の各区各地域から参加された方々からは、自治会や町内会における集団回収の問題点やコスト削減のため民間業者に委託した場合のリスクとデメリットなど、活発な意見交換が行われていました。

 5月から、分別回収に協力せず改善命令にも従わない事業者や家庭には、罰金(2000円以下)が科せられることになりました。この事に対しても、誰のゴミかどうやって特定するのか?住民の顔が見えづらい商業地域では、一人暮らしや外国人にルールを徹底させることの難しさなどが話しあわれ、まだまだ問題は尽きないなと実感させられました。

 

 調べによると横浜市全体の燃やすゴミの中に含まれている「古紙・その他の紙」の割合は、平成18年度実績で8.8%。総量では約4万トンになるそうです。つまり、リサイクルで生まれ変わることのできる紙が4万トンも殺されているのです。

 1992年、リオデジャネイロで開催された「地球環境サミット」で、セヴァン=スズキという12歳の少女が「伝説のスピーチ」を行いました。

「あなたがたは、私ぐらいの年齢の時に、自分たちの未来がなくなることを心配したことがありますか? 私たち子どもの未来を真剣に考えたことがありますか?」と…。

セヴァン・スズキ 伝説のスピーチ全文

 今年3月、「元石川おやじの会」の皆さんが、「子ども達の未来のために」と、リサイクル、とくに古紙の分別を確実なものにするために、「雑紙って何?プロジェクト」を立ち上げました。今後の活動が期待されます。

 こうして、市民も努力しているのです。だから、行政に言いたい。

「リサイクルできないものを作り続けるのは、もうやめようよ」と。

 紙は、この世に誕生したときからリサイクルだったのですから。

 
                                    (宮 澤)

徳島県上勝町のごみ分別は34種類!リサイクル率なんと80%だって!頑張れ、横浜!めざせ、G30!!

▼次のページへ
▼ひろたりあん通信 2008年3月号へ

■前に戻る■