■ひろたりあん通信バックナンバー
 2008年7月号
 ビールだ、あじさいだ、ちょんまげ?…だー!!
  
ひろたりあん旅倶楽部バスツアー同行記

  真夏の休日の最高の過ごし方といえば、昼間冷たいビールを飲みながら、テレビで高校野球を観戦する。途中のうたた寝も必須である。

 しかし、亭主の休日は「家庭サービス」のために存在する、と頑なに信じる妻がいるから、四季に関係なく、こういう至福の休日を過ごさせてもらえることはない。

 とはいえ、休日のたびに行楽なんて、彼女の財布の紐はゆるくなく「家庭サービス」の大部分は、自分の買い出しのための運転手であり、飲酒運転させないために、昼間のビールを封印するのだ。

 だから私は、休日の来客を歓迎する。渋々とはいえ、ビールを出してもらえるからだ。休日に遊びに来てくれないヤツは、友達とは呼べない、とさえ思う。

 たまに家族で行楽地へ出向いても、私の立場は運転手である。公共交通機関利用より車の方が安上がりだから、というのが彼女の明瞭な主張だ。だから明媚な景観を鑑賞しつつビールをグビッ、なんてことは許されぬ。

 「私は運転しないからね」と私に代わって飲んでくれる妻に、ただ黙して忍耐するという悲劇にも直面する。

 もうすぐ夏休み、ところが、このところのガソリン高である。家族三人の絆の確認の機会として、最小限の行楽は必要と心得る妻だが、車での移動には少々難色を示しはじめているようだ。だったら、バスか電車だ。それならビールが飲める。

 ひろたりあん旅倶楽部のビール工場見学を絡めた日帰りツアーを、宮澤と齋藤が取材してきたという。この旅行企画もう一度やってくれないか。社員割引がきくのなら、妻も異論がなかろう。

 

★          ★          ★ 

「グエッ!」

 梅雨だからといって、カエルの鳴き声ではありません。宮澤さんのお腹にシートベルトが食い込んだときの呻き声です。

「イテテ、どうしてもシートベルトの存在を忘れちゃうんだよな〜」

 今年6月から道交法が改正されて、車の後部座席もシートベルト着用が義務づけられました。もちろん、観光バスも同様です。それにしても…、最初の挨拶の時と、トイレ休憩、そして今回、これでもう三度目です。いい加減に覚えてよ。かつては添乗員したことあるんでしょ。これじゃあ、先が思いやられます。

ひろたりあん旅倶楽部
 あっ、ご挨拶が遅れました。今回初めて特集企画を担当させていただく事になりました、ニュータウン・センター南店に在籍の齋藤です。夏ならではの特集企画ということで、できたての生ビールの美味しさを実感してもらいたくて、編集会議で「アサヒビールの工場見学」を提案しました。

「おっ、いいね♪」聞くやいなや、目を輝かした宮澤さん。お酒がからんだ企画に本性を表したのかと思ったら、実は「ひろたりあん旅倶楽部」でアサヒビールの工場見学ツアーがあるとのこと。

 それではビール工場と「旅倶楽部」のバスツアーを一緒に紹介しようではないかと満場一致で話がまとまり、日帰りバスツアーに参加することになりました。「紫陽花と出来立て生ビールのコラボ!」。アサヒビールの工場見学だけでなく、神奈川県有数の「あじさいの里・開成町」の「あじさい祭り」も楽しんじゃおう、という欲張り企画です。初担当なのに、こんな美味しい思いができるなんていいんでしょうか。

6月14日、午前7時40分。市ヶ尾駅の集合場所から私と宮澤さんの二人はバスに乗り込みました。バスにはすでに何組かのお客様…。

入店して日が浅いので知りませんでしたが「ひろたりあん旅倶楽部」の旅行は、バスはお客さんの家の近くの集合場所まで迎えに来てくれるんですね。これは便利です。今日の参加者は30名ほど、お子さん連れの方も何組かいらっしゃいました。


 現在、旅倶楽部の催行旅行に協力いただいているのが、市ヶ尾にある「トラベルカイト/有限会社いいだこ」の飯田典嗣さん。

「旅の知識や経験はもちろん、ウィットに富んだ話術は、へたな噺家さんより面白い。それに他では味わえない斬新で、なおかつ客さんのことを第一に考えた企画を考えさせたら、この人の右に出る者はいない」と、宮澤さんも太鼓判を押す旅のエキスパートです。

 チャームポイント(?)は後頭部の小さなチョンマゲ。このチョンマゲ、人ごみではぐれた時の目印になり、ツアーに参加されたお客さんが、「旅の思い出」と共に忘れることのできない印象を胸に刻むというサブリミナル効果もあるのだそうです。

「ここだけの話、飯田さんのツアーは、ほとんど雨が降らないんだよ。きっと、あのチョンマゲで天気を操っているに違いない」と、失礼なことを言っていますが、確かにこの日も梅雨のど真ん中にもかかわらず、暑くもなく、寒くもない絶好の行楽日和でした。

大雄山最乗寺
 さて、宮澤さんが三度目のうめき声をあげながらバスを降りたのは、南足柄にある【大雄山最乗寺】。越前の永平寺、鶴見の総持寺と並ぶ、曹洞宗の古刹です。

鬱蒼とした杉林の参道を歩いて行き、さらに階段を上った御真殿には天狗の大小さまざまな下駄が奉納されています。大小一対の下駄は夫婦和合のご利益があるそうで、一番大きなものは、軽自動車ほどもありました。

 御真殿からさらに奥の院に行く間には、350段余りの階段があります。飯田さんが「体力に自身があれば、行ってみるといいですよ」と勧めるので、すでにへばっている宮沢さんを置いて、一人で階段を駆け上がりました。

気の遠くなるような急な階段ですが、日頃配達で鍛えた足腰(でも、やっぱ、きついな〜)結局、ツアー参加者の中で奥の院まで行ったのは私だけだったようです。えっへん!


 


アサヒビール工場見学
 最乗寺から十数分でアサヒビール工場に到着しました。実は私、廣田新聞に入社する前に、お酒を扱う仕事をしていた関係で、ビール工場には何度も足を運んでいます。

 特にこの工場を選んだ理由は、品質管理はもちろん環境問題にも取り組んでいること。何よりも、この自然環境の中で飲む出来立てホヤホヤのビールは世界一と確信しているからなのです。因みにこの神奈川工場は今年で6周年を迎え、なんと今年の5月には来場者が百万人を突破したとの事です。

 広くて清潔な通路、上から見る工場内も、本当に奇麗です。ビールの製造工程やアサヒビールの歴史などがパネル展示してあるので、アテンダントの方に説明を聞きながらひとまわりするだけで、ビールのことがよくわかります。

 総務部主任の飯盛さんにお話しをお聞きしたところ、製造過程で一番重要なのは「酵母の管理」だそうです。0.1度単位の温度制御でなければ味が変わってしまうので慎重に管理しないと全てダメになってしまうとの事でした。コンピューター管理と人間の味覚、検査され選りすぐった物だけが出荷されるのです。だから安心で、尚且つ美味しいビールを飲む事ができるのですね。

環境保全の取り組み
「ウンチクはいいから、早くビールが飲みたいんだけど〜」

「ちょっと待って下さいよ、宮澤さん。そうそう、宮澤さんはエコにはうるさかったですよね。実は、この神奈川工場ではゴミが0。オールリサイクルなんですよ」

 原料の麦芽の殻や麦汁ろ過から出る部分は飼料や肥料に、製造過程で出る余剰酵母は医薬品や食品に使っています。ろ過したフィルターはプラスチックの原料になっていて、ホップの入っていたアルミの袋は路盤材。

 なんと、工場内を案内していただいたアテンダントの方が着ていた格好いい制服も、すべてペットボトルで出来ていました。

 東京ドーム9個分の敷地面積、大自然に囲まれた神奈川工場だからこそ、こうした環境保全にも真剣に取り組んでいるのです。これだけ大きな工場なのに実は従業員は80名程度だそうです。さらに一日の出勤者は20〜30人、殆んどがコンピューター制御だということにも驚かされました。

ここまでウマイか!
 さて、待ちに待った試飲です。宮澤さんだけでなく、ツアー参加者の皆さんの目も輝いてきました。今回は、スーパードライ、プレミアムの熟撰、ベルギーのベルビュークリークの三種類が試飲できます。どれから飲んでも構わないのですが、皆さんの選択したビールはやはりスーパードライ。

「いや〜うまい。こりゃ何杯でも飲めちゃうなぁ。やわらかいって言うか、嫌味が無くて、いつものビールと全然違うね」

「そうでしょ、なんといってもビールは『鮮度が命』ですから」

 お客様からも「うちの嫁さん、ビールは殆ど飲めないはずなんだけどね。このビールは違うって、すっかりビール党だよ」「家に帰って他のビール飲めないよ(笑)」などなど、皆さん大満足です。

 「宮澤さん、2杯目の熟撰はどうですか?このビールは麦芽よりもホップにこだわったアサヒビールさん独自のプレミアムなんですよ」

 「う〜ん、ここまでウマいかっ!」

 それってコマーシャルそのまんまじゃないですか。3杯目はベルビュークリーク。ベルギーのビールでチェリーの味のする赤いビールです。

 「ビールと言うよりサワーみたいですね。甘すっぱさが飽きないのでずっと飲めますよ。」こちらは女性に大好評でした。  

 出来立てビールを楽しんだあとは、アサヒビール園で昼食です。テラス席が100席あるので、個人で来られた方は、大自然に囲まれてのジンギスカンが楽しめます。

 おっと、ビールを飲みたい方は車ではなく電車で。

 小田急線「新松田駅」よりバスで約20分。大雄山線「大雄山駅」よりバス約10分で来られます。春には「1300本の桜」、5月〜6月上旬頃にはビオガーデンで源氏ボタルと、四季折々の良さが味わえますよ。

 

 

 

 

開成町あじさい祭り
 ビールを堪能し、お腹もふくれた一行は途中「ハナアオイまつり」に立ち寄ったあと、神奈川県で一番小さな町、足柄上郡開成町に向かいました。

 昭和58年に町おこしのために地元の方が、農道沿いに紫陽花を植え、毎年地道に環境整備を行った結果、いまや、5千本の紫陽花が咲き誇り、17万人の観光客が訪れる観光スポットとなりました。飯田さんの話では今が一番見ごろの時期だそうです。

 かなり広い会場なので地図を頼りに各自で散策します。ゲートをくぐると、あたり一面のあじさいの園。

 「ニホンアジサイ」だけでなく、「ガクアジサイ」や「アナベル」「カシワバアジサイ」など種類も豊富。とくにキレイな水が滔々と流れる用水路のまわりは写真撮影には絶好のポイントです。

 祭り会場から少し奥へ行ったところに「瀬戸屋敷」という江戸時代の名主の家があるというので、二人して足を伸ばしてみました。

 茅葺き寄棟造りの大きな屋敷の中では、いろいろな催しが行われていました。

 ひと通り中を見学して、そろそろ帰ろうかと思い宮澤さんを探すと、熱心に紙芝居のオジサンと何か話しこんでいました。聞けば、青葉区制15周年で紙芝居を作る事業計画の参考にするための取材だそうです。

 オリジナルの紙芝居は、ウサギが「ぴょーんのぴょーんのぴょーん」と飛び跳ねながら、足柄の自然や名所を見てまわる話。絵はすべて折り紙で作られていて面白いのですが…、オジサンの話がとにかく長い。いっこうに終わる気配がありません。

 集合時間が刻一刻と迫ってきて気が気じゃありません。ようやく話が終わり、お礼を言って屋敷を飛び出した二人は一目散で祭り会場を駆け抜けゲートへ急ぎました。紙芝居のウサギのように「ぴょーんのぴょーんのぴょーん」と飛んでいけたらどんなにいいか。

 

 ゲートを出たところで携帯が鳴りました。飯田さんからです。

「すいません、今ゲートを出たところです」走りながら謝っている宮澤さん。さすがに息があがっています。

 駐車場に着くと、バスの方から私たちを迎えに来てくれました。乗り込んだ二人に、お客さんの温かい拍手。ホントにお恥ずかしい。あらためてお詫びいたします。 

小田原梅の昇珠園
 このツアーの最後は、小田原曽我にある昇珠園さんの梅畑見学です。めったに入ることのできない梅畑で、昇珠園のご主人から曽我の梅についてのお話をお聞きしたあと、道路に面したお店でお買い物。私と宮澤さんが買ったのは「梅の雫」という、梅干を漬けたあとの汁を瓶詰めしたもの。魚を焼くときに、これを振りかけて焼くと塩加減と梅の香りが絶品だそうです。まさに、いい塩梅っていうやつですね。また、焼酎の水割りに入れると梅干を入れなくて梅割りが楽しめます。

 昇珠園のすぐ向かえには、小田原牧場アイス工房さんがありました。イチゴ、うめ、栗、キゥイ、かぼちゃと、ここでは色々な種類のジェラートが味わえます。私はやはり梅、宮澤さんは迷った挙句、ミルフィーユを選びました。ツアーにご両親と一緒に参加した男の子、ビールは飲めなかったけれど、ジェラートにはご満悦でした。

 古刹にビールにハナアオにアジサイ、梅園とアイス工房…、日帰りバスツアーにしては盛りだくさんの内容に大満足。天気もよく、途中トラブルのひとつもなく、帰路につくことができました。

 が、しかし原稿のことを考えると少し憂鬱です。なんせ、初めてですから…。ぐっすり眠りこけている宮澤さんの顔をみながら、構想を練っているうちに、朝乗車した市ヶ尾の駅前に到着しました。

「宮澤さん、着きましたよ!」

「おっ、そうか。あ、グエッ!」

「また、これで今日八度目ですよ」

「これが本当の無事カエル。ゲロゲロ」

「・・・」

 ツアーに参加していただいた皆さん、そして飯田さん、本当にご迷惑おかけしました。また会えることを楽しみにしています。

                                    齋藤 秋人
 

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