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「新聞配達する順番って、どうやって覚えるの?」と聞かれることがある。
「やっぱり地図とか使うの?」
「今の時代、新聞屋さん用のナビゲーションシステムがあるのさ」というのは冗談で、地図を使わない代わりに、新聞宅配業の創成期に先人が考案したであろう、歴史のあるシステムを現代でも使用しているのである。
それはお客様の名前を配達順に掲載した帳面(順路帳という)に「順路記号」というものを書き込む方法である。
たとえば、【―→|2】なら「二つ目の十字路を右折し右の2軒目」という意味で、「|」は道路を表している。
他にも「ト(隣)」「ム(向かい)」など、次の配達場所を特定する記号がいろいろあり、これを修得すれば一回のリハーサルで配達することができるのだ。
ただ難点は、早朝時灯りのない場所では役に立たないことで、昔先輩がライターの火を点け、その灯りで読もうとして、放火犯に間違えられそうになったという、笑えない話もある。まあ、冤罪を被らないために、賢い者はヘッドライトをヘルメットに装着するのであるが…。
この時期、新聞奨学生が業界に大挙入社し、信じられないような失敗をやらかすから、先輩社員たちは心が休まらない。
私が指導した新人が初めて独配した日のこと。「順路記号どおりに配れば大丈夫だから」と送り出したが、その彼から電話が入る。「何かトラブルでも」と身構える私に「無事終了しました」ところがその後がいけない。
「ところでどうやって戻ればいいんですか?」新聞配達も場合によっては地図が必要である。
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地図のご利益
旅好きにとって、地図は欠かすことのできない必須アイテムです。旅に出る前の予習に、旅に出てからの確認に、個人旅行だったら尚更。
そうそう、地名推理ファイルの街道歩きでは、大きな文字のポケットマップが大活躍しました。しか〜し、私の場合、本当に地図が活躍するのは旅から帰ったあとなのです。
二年前まで、自室の壁は数種類の地図で埋め尽くされていました。世界地図、日本地図、神奈川県の地図、横浜の地図、そしてひろたりあんマップ。中でも日本地図は、畳一枚弱はあり、なんと、裏面はコルクの薄い板で補強されていました。
何のためかというと、今までに下車した駅と、訪れた城跡の位置にマチ針を打つためです。マチ針の頭は行った回数や泊まった回数で色分けして、乗り継いだ鉄道の線路や乗船したフェリーの航路は、赤いマジックで塗りつぶされていました。
数百本にのぼるマチ針の林、日本列島を静脈のように走る旅の轍(わだち)、缶ビールを飲みながら地図を眺め、しばし旅の思い出に浸る。まさに至福のひととき。
忙しくて旅に出る暇のない最近は、もっぱら【日本鉄道旅行地図帳】なる本を眺めては、旅に出たつもりになってます。
眺めているだけで旅したつもりになるのだから、それはそれで、優れもの。たった一枚の地図がささやかな幸せを運んでくれる。地図で幸せ、マップでハッピー、マップハッピー…マッピー♪まっぴい♪(ちょっと強引だな〜)
ということで、今回ご紹介するのは『まっぴい・青葉の街』です。
「まっぴい」は、私のように地図に幸せを感じる皆さんが、地域を歩き、見て聞いて、いろいろな角度から青葉区の街を知り、自分たちで手作りマップを作りながら、人生を楽しくハッピーにすごそうと結成されたグループです。
「まっぴい」については、もう何年も前から注目していました。というより、「憧れていた」と言ってもいいでしょう。区民まつりのブースや区役所ロビーなど、「まっぴい」の皆さんが作られた様々な地図を見るにつけ、心ワクワクさせながら眺めていました。
取材をする立場でなかったなら、入会して自分も地図作りに参加してみたいな〜、という思いを正直ずっと抱いていました。それほど、「まっぴい」の地図は魅力的だったのです。
前置きが長くなってしまいましたが、じつは、その『まっぴい』と、『ひろたりあん』が、このたび、「コラボ」することになったのです。
まっぴい・青葉の街
コラボの詳細を報告する前に、「まっぴい・青葉の街」が、どのような活動をされているのかご紹介しましょう。さきほど「数年前から注目していた」と書きましたが、「まっぴい」ができたのは平成八年(1996年)。ですから、すでに十三年の歴史があります。
青葉区が誕生した翌年(平成七年)、青葉区役所で開かれた青葉区生涯学級の地図作りの講座が開かれ、その終了後に【青葉区を見て・聞いて・歩いて地域を知り、地図づくりを通して青葉区の生活を楽しみ、人の輪を広げる】ことを目的にした事後グループが誕生しました。それが「まっぴい」の前身です。
結成した年に作られた大きなガリバーマップ(生活、自然、歴史のテーマ別三点)は、金沢区で行われた地図博覧会で3位に入賞。
その後、地図を媒介として青葉区の情報を区民に知ってもらおうということで作られたのが…(駅から散歩)(歩いてみよう!雑木林)(素敵な公園)(医療案内)(町名高齢化比率)(青葉区から見える山々)(青葉区の古道)(立体地図ふるさとの丘)(こんなにあった青葉区の古代遺跡)等々、もう多岐多彩、数多くの地図が制作されました。
「当時は、生活・自然・歴史のテーマごとにチームを分け、競い合うようにして地図作りをしていたんですよ」と代表の秦さん。
「区民に少しでも地域のことを知ってもらおうということで、展示担当のキャラバン隊を作って、区民利用施設をはじめ、小学校、銀行、スーパーなどに足を運んで展示させてもらいました。年間二百回も出ずっぱりの年もありましたよ」
これまでに制作された地図のリストを見せていただきましたが、ものすごい数です。
「まっぴい博物館を作らなきゃいけないね」とメンバーの方が笑っていらっしゃいましたけど、確かに博物館の一つくらい出来てしまいそうです。現在、図書館などに保管されていますが、手作りで大きな地図だけに保管するのも大変でしょう。
こうした手作りマップとは別に、手づくりウォーキングガイドの冊子も2冊発行されています。
当時、「全部手書きで出版するなんて珍しい」と言われたそうですが、青葉区の隅々まで知ることができると、区民には大好評です。
特に山岳パノラマのページは、青葉区から見える丹沢をはじめ、伊豆箱根、秩父多摩、南アルプスの山々の名前が細かく記されていて、これだけでも価値があります。
さて、そんな素敵な「まっぴい」の皆さんと「ひろたりあん」が「コラボ」るのは何故? どういうこと? 皆さんは昨年三月に開催された『青葉区コラボレーションフォーラム』の記事を覚えていらっしゃるでしょうか?

コラボレーションフォーラム
福祉、子育て、防災、歴史、メディア、多文化と、青葉区内で活動されている様々な団体が青葉区役所に集まり、日頃の活動内容を紹介しながら、各団体同士でコラボレーション(共同作業、共同制作)し、区民の皆さんに青葉区を知ってもらおうというイベントでした。
昨年は第一回ということと、会場が区役所の一階から四階までと広すぎたことなどで、残念ながら完全な形でのコラボレーションという訳にはいきませんでした。
しかし、今年はひと味違います。前回の反省から、会場は一階のみとなりました。その一階ロビーをAゾーン、Bゾーン、Cゾーンの三つに分け、ゾーンごと、それぞれのテーマを決め、それに沿ったアイデアを参加団体が徹底的に話し合い、来場者に喜んでもらえるよう、様々な「しかけ」が用意されています。
証明書の請求、申請、保険、相談などで普段利用されている区役所が、この日はアミューズメントパークに変身するのです。

青葉区を知ろう
その会場、Bゾーンで「まっぴい」と「ひろたりあん」がコラボするのです。
Bゾーンのテーマは『青葉区を知ろう』。つまり地図を使って青葉区の魅力を紹介している「まっぴい」と新聞で地域を紹介している「ひろたりあん」が合体すれば、きっと面白いものができるだろうという、安易な…いや、素晴らしい発想で生まれたのが、今回のコラボなのです。
「まっぴい」が制作したマップの中から、何点か提供していただきました。
じゃあ、ひろたりあんは何を出すのか?…、え〜と、やっぱり地図です。
「な〜んだ」と、言うなかれ、現在連載中の地名推理ファイル「大山街道編」で希望者の方にお届けした【大山街道オリジナルマップ】の拡大版を三枚のパネルに展示する予定です。国道二四六号を中心に、写真や「まっぴい」の情報を取り込んで……、おっと、そこから先は来場されてからのお楽しみ。
地図だけではありません。最近巷で流行しているという人生ゲーム、それの青葉区版も準備中。詳細はまだ言えませんが、青葉区にお住まいの方なら誰もが楽しんでいただけるものをと、青葉レクレーションリーダー倶楽部、通称「あおレク」の若い担当者が知恵をしぼって制作しています。
他には、ひろたりあん恒例の「青葉区カルト(?)クイズ」。正解者には景品も出ますよ♪

そうそう、もう一つ忘れてはいけません。私も関わっている「あおば紙芝居一座」も出演します。こちらも昨年秋に行われた講座の事後グループとして立ち上げ、チームに分かれて紙芝居作りに取り組んでいるところは「まっぴい」と似ています。青葉区での最初の公演。こちらも只今急ピッチで準備が進められています。
森のつみき広場
今回のフォーラムには、シンボルともいえる巨大モニュメントが登場します。
横浜の水源林・道志の森の間伐材を使った積み木一万個が用意され、一週間前に横浜美術短大の学生さんなどボランティアによってモニュメントを制作します。
Bゾーンばかり宣伝してしまいましたが、エコや防災、子育て、自然、食育など、Aゾーン、Cゾーンでも各団体が来場者に楽しんでもらえる「しかけ」を用意していましので、 三月二十八日土曜日、「ぜひ皆さんお子さま連れで足を運んでみて下さい。

好奇心と探究心
二月十四日、「まっぴい」の定例会に参加させていただきました。
場所は区役所の一階。この日は久しぶりに全員が集合されたとのこと、皆さん温かく迎え入れて下さいました。
会議では、各人が持ち寄った情報を順番に聞きながら意見交換していきます。
富士塚やダイヤモンド富士、三角点巡り、代表・秦さんの写真が青葉区ガイドの表紙を飾ることに決まったという話題などの最新情報。どれひとつとっても新鮮で興味深い内容です。
熱い好奇心と探究心が伝わってきました。三月末に「四季の家」と山内図書館で開かれるキャラバンについての準備も進んでいます。まだまだ「まっぴい」の課題は尽きることが無いようです。
「いろいろな情報がどこからでも手に入る時代ですけど、人からもらった情報をそのまま載せないようにしようということは決めています。必ず自分たちで確認をする、それだけは崩したくないですね」と、近藤さん。
近藤さんも含め、女性が多いのもこのグループの魅力です。

地図作りで苦労されたことをお聞きすると、即座に「苦労なんて考えたことが無い」と返ってきました。
「ただ、締め切りが大変ね。区民まつりに間に合わせなきゃとか(笑)出来上がったあとは反省が沢山ありますけど」
「落としどころをどこにするのかが決まらないんですよ。最後まで」
「知り得た情報の中でまとめて行く。もちろん、アカデミックな部分もあるんですけど、専門的に全部を網羅して、しっかり把握しないと出せないという訳じゃなくて、ま、こんなもんだろうな、というところで出しちゃう(笑)」
「そこがいいんだよ、だから長続きするんだね(笑)」
笑いが絶えません。そのアットホームな雰囲気がじつに心地よい。その心地よさに誘われて二週間後もまたまたお邪魔してしまいました。
「手作りの味だけは残していきたいね」皆さんが声をそろえておっしゃった、この言葉に「まっぴい」の姿勢と優しさが凝縮されていました。
締め切りに追われ、少しアバウトでなところは「ひろたりあん」と共通する点ですかね。
「まっぴい」の皆さんからは、探究心と好奇心のパワーを沢山いただきました。
(宮澤)
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