■ひろたりあん通信バックナンバー
▼2010年12月号
夢の吹く丘 特別編
 
丘のヨコハマに伝説を…『満願寺・コ川家広氏講演会』
丘のヨコハマに伝説を…『満願寺・コ川家広氏講演会』

 〆来年1月9日よりスタートするNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』

 それを記念して、あざみ野にある満願寺で講演会が行われた…と聞いたら、普通は「なぜ?」と首をひねりたくなるだろう。

 『江』は『ごう』と読む。織田信長の妹、お市の方の娘で、豊臣秀吉の側室・淀殿(茶々)の妹。

 二代将軍・秀忠に嫁ぎ、三代将軍・家光を生んだ女性といえば、「ああ、『大奥』(ドラマ)に出てきたわね」と合点がいくはずだ。

 ドラマや映画では、旦那さんに対する嫉妬深さや、将軍継嗣問題で、春日局(家光の乳母)と敵対する、どちらかというと、敵役として描かれることが多い。が、今回の大河では主役を務めることになった。

 これはもう、主演の上野樹里さん以上の大抜擢といってもいい。

 じつは、その『崇源院』(お江の方の亡くなってからの呼び名)と、夫で二代将軍の『台徳院』(秀忠公)の位牌が満願寺に安置されているのだ。

 このことを知ったのは八年前。ちょうど『地名推理ファイル・あざみ野編』を執筆中で、石川村のことを調べようと、『山内のあゆみ〜石川編〜』(郷土史家・横溝潔さんの著書。私のバイブル)をパラパラっとめくっていた時に、この記述を見つけ、衝撃を受けた。

満願寺の位牌
 満願寺のある石川村(元石川、美しが丘、美しが丘西、あざみ野、荏子田、新石川)は、崇源院の化粧料地であり、彼女が亡くなったのちは、芝の増上寺の御霊屋領(みたまやりょう=墓所を維持管理するための領地)となった。

 私鉄沿線の新興住宅地にとてつもない歴史が隠されていた!と、その時の私は、ガッツポーズをとるほど感動し、すぐさま「あざみ野編」に、そのことを書いた。

 販売エリアは、発行日翌日からその話題で持ちきりに…な〜んてなるわけもなく、得難い歴史遺産は時の彼方へと消えていった。

世の中めぐり会い
 昨年11月、青葉区の商店街連合会が発行した『青葉タウンガイド』に、横溝潔さんが「江姫の話」という一文を寄せられていた。 それによって、龍馬の次の大河ドラマの主人公が江姫に決定したことを知った。

「来た〜!」

 歴史遺産を世に投げかける時がめぐってきたのだ。ミーハーな頭には大河ドラマ『江姫紀行』の映像が浮かんでいた。

 そんな時、かねてから親交のある薩摩藩家老のご子孫、調所一郎さんから、九品仏浄真寺で「調所笑左衛門広郷公」の法要があるから「いらっしゃいませんか」と、お招きを受けた。

 しかも、「コ川さんもお見えになりますから、ご紹介しますよ」という、嬉しい言葉が添えられて…。 

 コ川さんとは、徳川宗家十九代目、次期当主の家広氏。

 聞けば、調所さんとは「飲み友達」だという。巡る因果は糸車、回る世の中めぐり会い♪運命を感じながら、九品仏浄真寺で家広氏に拝謁。タウンガイドを献上しつつ、できれば満願寺まで足を運んでいただけないだろうか、と陳情申し上げた次第でござる。

 満願寺の檀家の皆さんにも当然了承を得て、今回の講演会が実現した。 

家康公の再来?!
 それにしても、家広氏の話題の豊富さ、面白さには驚いた。関ヶ原の合戦の真実、歴代将軍の功績、幕末の人間模様、薩摩と徳川の関係など、滔々とよどみなく語られる目からウロコの逆説の日本史。専門分野である経済の話に至っては、背中から冷や汗の恐ろしい未来予想図まで飛び出した。

 寛永三年、崇源院が亡くなった時、石川村を含めた化粧料の村々から、崇源院の棺を担ぐ人々が集結したという。それは子孫にも伝えられ、家康の命日(17日)と秀忠の命日(24日)、崇源院の命日(15日)には精進物を用い、行事が行われてきたという。

 石川村の村絵図を使った横溝さんの解説で、コ川家と石川村との深い絆が明らかになった。

 他にもある御霊屋料のうち、特に石川村にのみご位牌があるという謎。石川村には何か特別な権威が存在したのではないだろうか?これからの研究課題である。 

 我田引水を承知で言わせてもらうなら、今回、満願寺に秀忠公のご子孫がお見えになり、ご位牌の前でお話をされたという一事は、石川村にとっては『歴史的な事件』。たとえ大河ドラマに取り上げられなくても、「誇り」を持って、この土地を守り続けてきた先人たちの思いが伝えられただけでも大成功だったと思う。

 人と人、人と土地の縁に感謝。関係者の皆様有難うございました。 

 人と人との縁をつなぎ、丘のヨコハマに伝説を作る。いずれも地域のため、仕掛けて仕損じなし。人呼んで夢の仕掛人。 ただしこの稼業…、結構疲れまする。


12月6日(月)付、神奈川新聞・よこはま版で紹介されました。


人呼んで『夢の仕掛け人』

横溝潔氏「江姫の話」が掲載されている『青葉タウンガイド』

無料で差し上げます。

希望される方は、住所、氏名、年齢、電話番号
『タウンガイド希望』と明記の上、下記宛先までご応募ください。

(歴史探偵・高丸執筆の「古道を行く」「こども歴史探偵団」「あおば
紙芝居一座」「青葉区小中高生ミュージカル」の記事も載っています)

hirotarian@b06.itscom.net

 


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