| ■ひろたりあん通信バックナンバー |
| ▼2011年2月号 |
| 夢の吹く丘 〜都筑の丘のすばらしき人々〜 |
■浪曲師・演歌歌手 菊地
まどか さん![]() 菊地ぃ〜まどかとぉ〜、申しぃます〜♪ たまプラーザの居酒屋『弥太郎』の二階個室に美声が響きわたった。 インタビューの途中だったので、いささか驚いたが、日本レコード大賞優秀新人賞受賞歌手の生歌を一人で独占できたことに気づいて、思わずお礼を言っていた。 それにしても、自分が主催した『観桜会』の席で、この何倍もの声量の挨拶をされた小泉元首相は、さぞやド肝を抜かれたことだろう。 5年前、「クラシックもいいですが、浪曲もよろしくお願いします」と、首相に大PRした美人浪曲師が話題になった。新聞などで大きく取り上げられたので、ご記憶の方もいらっしゃるのでは?その彼女が昨年二月に演歌歌手としてデビュー、暮れのレコード大賞でみごと新人賞を受賞されたのだ。 民謡から浪曲 「父はサラリーマンやったんですけど、趣味で民謡の三味線や津軽三味線、浪曲の三味線を勉強していたんです。お父さん子だった私は、浪曲教室に付いていって、待っている間に三〇分の物語を覚えて、唄うようになったんですね。それが最初やったんです」 まさに(門前の小僧、習わぬ経を読む)。8歳で浪曲を唸り、民謡や河内音頭もいつの間にか覚えてしまっていた。 「お父さんが江差追分の大会に行くと、その横で『ソイ、ソイ!』ってお囃子をやってたりとかしてたみたいで、浪曲も民謡も面白いからって舞台に上げさせてもらっていたんです。そのあとに美味しいものを食べさせてもらえるっていうのに釣られたんですね(笑)その時は浪曲も元気で、大会もあちこちでたくさんやってたんです」 その後、『はぐれコキリコ』で有名な成世昌平師の甲会に入門、二十五歳で民謡の名取となり、数々の賞を受賞する。 「『因幡大黒舞(鳥取)』という曲や、うちの先生の十八番の『淡海節 (滋賀)』とか、『宇和島さんさ(愛媛県)』、張り上げるものより、じっくりと聞かす民謡を教えてもらっていました」 医療事務の正社員として働いているときに、その後の運命を決定づける出来事があった。浪曲師・京山小圓嬢師匠との出会いである。 「天王寺の一心寺というお寺さんで浪曲の公演をやっているっていうので、お昼休みに聞きにいきました。親子の情愛を描いた『愛情乗合船』という話だったんですが、聴き終わった後に胸にぐさっ!と刺さるものがあって、涙が出てきちゃったんですね。『聴く側ではなくて、やる側にまわってみたい』、そう決意して、仕事を辞めて弟子入りさせていただいたんです」 浪花女のげんき節 「あんたは、民謡も出来るし、歌も唄えるし、河内音頭もできる。京山って付けたらいかにも浪曲師に片寄るからと…、いい名前をいただきました。厳しいですけど心が広い師匠。一番の財産ですね、これは皆さんからいわれるんですけど『ええ師匠のところに行ったな〜』って、本当にありがたいです」 若手浪曲師として、『文化庁芸術祭新人賞』や『大阪舞台芸術新人賞』を受賞。『観桜会』に招かれたのも、この年だ。 浪曲の地味で古くさいイメージをなんとかしたい、という熱い思い。特に若い人に知ってもらいたいと、試行錯誤、路上ライブ、ワンコイン(500円)ライブなどの新しい試みに挑戦されている。 「形にとらわれずやらせていただいています。それでなくても、聞いていただく機会がないですから。小学校とか中学校のじぶんに、ホンマモンの落語とか浪曲とかを一度でも聞いてもらったら、大人になったときにお金を払って聞きにいこうかって思うんですけど、一度も聞いたことなく育った人は大人になってから聞きにいきませんものね」 浪曲を取り入れたデビュー曲のタイトルが『浪花女のげんき節』というだけあって、とにかく明るく元気。天真爛漫な笑顔に癒されながら、パワーもいただいた。そのせいなのか、節分の日に、『大山阿夫利神社』に招かれて「豆まき」をしたという話を聞いて、インタビューそっちのけ、ついつい調子に乗って、大山街道について延々とレクチャーしてしまった。(いかん、いかん) 「京セラドームの始球式で『君が代』の独唱をさせていただいたんです。気持ちよかったので、ドームで浪曲の公演と単独コンサートができるようになれたらいいですね。四大ドームなんていうと、ど厚かましい!と言われるかもしれませんが…(笑)まずは四ヶ所、一塁側だけでもいいので(笑)」 大阪を離れ、はじめて住んだよその町が青葉区。もうすぐ丸二年、今も田園都市線を利用して仕事場に通われている。
「環境もよく、過ごしやすい町に住まわせて頂いているので、長寿日本一の皆さんのパワーにあやかりながら頑張りたいと思います。そしてぜひ、私の曲、そして浪曲にもふれていただければ嬉しいですね」 浪花節と民謡、そして演歌は、日本人の心。こういう時代だからこそ、じっくり味わってみたいものである。
宮澤 第52回日本レコード大賞 優秀新人賞受賞 第43回日本作詩大賞 入賞曲 作詩:池多
充男 作曲:岡 千秋 編曲:池多 孝雄 c/w 母の秋
歴史探偵・高丸の思いつくままの漫筆、雑筆 |