■ひろたりあん通信旅行版
10月10日〜10月11日
  「紅葉の立山黒部アルペンルートと東尋坊」
■絶好調!イヤミな上司
 秋の行楽シーズンを迎え、わがひろたりあん旅倶楽部の一番忙しい季節となりました。秋といったら『紅葉』紅葉だけでも二、三ヶ月は企画のネタに頭を悩ますこともないほどです。一番最初の紅葉は九月からはじまる「立山黒部アルペンルート」です。九月の中旬の一番標高の高い室堂高原を皮切りに、十一月上旬の美女平までと、当たり外れのないコースなのです。そこに突如現れたわがイヤミな上司「なんだおまえ、立山にはこないだ行ってきたばかりじゃないか、本当に手抜きがうまくなったなあ」「紅葉の立山を見逃すような真似は、添乗員のプライドが許しません」「言い訳もうまくなったなあ」「…」

 それでも募集すると満員御礼、私が気合を入れようが、手を抜こうが(抜いてはいませんが)人気コースには自然とお客様が集まるわけでして、手抜きというより(抜いてませんが)企画の「ツボ」を押さえられるようになったことを誉めてください。

■悪運だけは強い?
写真  当日の朝、強い雨音で起こされて「もしや雨のアルペンルートになるのでは…」天気予報を見ると降水確率九十%、ふと私の脳裏に浮かんだのは、鬼の首でもとったような上司が無気味に笑う形相でした。しかし、私が落ち込んでいたらお客様に申しわけありません、明るく振舞おうとバスに乗り込みました。「皆様、今回は立山黒部アルペンルートですので、バス会社から山岳コースに相応しい運転手さんを派遣していただきました。その名も『山路』さんと『杉山』さんです」彼らは「森本さんと行くツアーは悪運が強いから、まあなんとかなるでしょう」と楽天的ですが、私に気を遣ってくれたのかもしれません。

■「雨男」復活にビクビク
 中央高速を走り始めると、雨足はますます激しくなり「この先どうなるやら」一抹の不安を抱えて扇沢へ向かいましたが、途中でスリップ事故を四件も見かけ、私の不安にますます追い討ちをかけるのです。それでもなんとか無事に扇沢駅に到着、関西電力トロリーバスに乗り込み、黒部ダムへ向かいました。さすがに雨ということで展望台に向かう人はいませんでしたので、順調にケーブルカー乗り場である「黒部湖」から「黒部平」へ向かいました。実はここから天気の回復の兆しが見えはじめたのです。黒部平の展望台から望む紅葉は見事に織りなされた綾錦、期待に胸を膨らませてロープウェイに乗り込みました。車中から眺める紅葉は期待以上でお客様は大感激。元雨男のくせに「これで晴天ならば最高なのに」と思う私は欲張りでしょうか?本当は「期待以上の雨男ぶりね」なんて、いつ言われるかビクビクしているのです。

 大観峰から更にトロリーバスにて立山黒部アルペンルートの最高標位(二四五〇m)にある室堂ターミナルに着きました。外の気温は十度を下回り、風が強かったのですが、富山平野の方を見ると眼下の雲が夕日を浴びて、刻一刻と色を変える雲海はとても幻想的でした。室堂ターミナルから高原バスに揺られること五十分で美女平に着き、もうここまで来ると天気の心配は無用、だんだん青空が見えはじめてきました。

■野宿じゃなくてよかった
 美女平でケーブルカーの出発待ちの時間に、血相を変えてバスを降りてきた他ツアーの添乗員が駅員に猛抗議していました。聞いてみると室堂ターミナルから長野県側の扇沢方面の乗物が大雨による運休で足止めを食らい、身動きが取れない状況なのだそうです。恐らく野宿でしょうね。私たちは間一髪セーフだったわけです。「いや〜森本さん、あんたは雨男だけど悪運は強いね」これは誉めてくれているのでしょうか?

 美女平を後にし、立山駅でバスに乗り継ぎ、金沢市内のホテルに予定通り到着しました。

写真  翌日は雲一つない快晴で、一路東尋坊へ向かいました。東尋坊の岩場から眺める日本海は絶景そのものでした。久しぶりに会う東尋坊のガイドさんと雑談したところ「あんたが昨年の十二月に来てから最低でも二十人がここから身投げしたんだよ」ここは相変わらず「自殺の名所」なのです。「おまえも一度経験して来い」もちろんわが上司のイヤミです。

 帰路のバスは順調に進み、予定通りの時間にお客様をお見送りできました。一時はいつアクシデントに巻き込まれるのかとヒヤヒヤしたのですが、どうやら悪運の強さはイヤミな上司譲りで、おかげで少しは叩かれ強くなれたのかもしれません。

                                         (森 本)
▼2001・9・26へ

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