■ひろたりあん通信旅行版
1月8日・1月16日
  「成田山・川崎大師初詣」
■誰のせいだったんですか!
 今年も恒例の日帰り初詣を催行しました。昨年は新世紀ということで、上司の命令で二〇〇一年にちなみ代金を二〇〇一円に設定する大出血サービス、もちろん参加者が殺到しバス七台での催行という盛況ぶりでしたが、終わってみれば「出血多量」、旅倶楽部を預かる私は瀕死の状態に陥ることになりました。そこでイヤミな上司に「今回は二〇〇二円にするんですか?」と恐る恐る伺いをたてると「それはいい考えだねえ」ドキッ!「それで赤字が出たら、おまえの給料から差し引いておこうか」とニヤリ。いったい誰のせいだったんですか!と怒る反面、内心ではホッとした私です。いくら記念イベントだったにしても、あの真っ赤な収支決算書は図太い上司にも相当なダメージを与えた模様です。

 結局今回は三九八〇円、それでも往復の交通費や、お弁当代(前回は昼食フリー)を考えると格安です。なのにお客様はこの値上りに憤慨されたのか、それとも不況のせいか、昨年より集客が鈍ったのが事実です。

■「臨時号」に八つ当たり
 いつものごとく各配車場所でお客様をお迎えしたあと、バスは一路成田山新勝寺に向かいました。年間の参拝客が一千万を超えるともいわれる成田山新勝寺は、初詣のメッカとして有名で、お正月には約五百万人もの方が参拝に訪れるそうです。それにしても毎年成田山初詣のツアーを催行しているのですが、年々参拝客の数が減っているような気がするのです。その証拠にバスが駐車場に入る際、例年なら込み合ってなかなか入りにくいのですが、今年は恐ろしいくらいスムーズに入れたのです。「おかしいなあ。まだ一月の上旬なのに、なんでこんなに人出が少ないんだろう?まさか年末に発行した『ひろたりあん通信臨時号、ご近所で初詣特集』を読んで近隣でお参りを済ましたのかな」もっとも、成田山の参拝客がすべて廣田新聞店のお客様であるはずはなく、ただ、今回の集客が鈍った原因の一つに「ひろたりあん通信臨時号」があげられそうです。「まったく余計なことを!」と少し八つ当たり。 写真 しかし私たちが出発する頃には、賑わいを取り戻していました。

■お不動さまにお願いしてみたら?
 成田山新勝寺のご本尊はご存知のとおり『不動明王』。右手には智慧を表す利剣を持ち、衆生の心の迷いを断ち切ってくれます。また左手には策(なわ)を持ち、仏教の教えに背く人をも自分の膝元に引き付け正しい道に導くという、少々強引なところもありますが、できれば慈悲のかけらもないわが上司の首にも策を巻いて、額づかせて欲しいものです。

 「ねえ、一昨年買った漬物とお味噌が美味しい店なんだけど、どこにあったかわからなくなったの、教えてくれない?」何でも昨年は見つけられなくて、悔しい思いをしたそうです。こういうお客様をご案内するのも私の務め、「それで何というお店ですか?」「その名前がわからないのよ」これでは私としても手の施しようがありません。「お不動さまにお願いしてみたらどうですか、きっと正しい道に導いてくれますよ」後で聞くと、無事見つけることができたそうです。お不動さまのご利益は本物のようです。

 成田山を後にして、バスで走ること一時間三十分、川崎大師平間寺に到着しました。ここも人出が少なく「神仏の世界でもこの不況は影響しているのかな?」衆生を救済するために存在する神社仏閣であれば、不況時にはさぞかし潤うだろうと思っていたのに、結局頼れるのは「自分自身」なんでしょうか。

写真■「飴」が一番必要なのは?
 お寺の中よりも元気だったのが仲見世にあるお土産屋さんでした。TVでよく紹介される大師名物の「せき止め飴」や「とんとん飴」を売るお店などで、相変わらず客引きの声が高らかに響いていました。その喉を枯らさんばかりの声にこそ、売り物の「飴」が効果あるのに、と思うと少々可笑しくなりました。「お兄さん添乗員さんかい?サービスするからお客さん連れてきてよ」と売り子のおば様方から声をかけられました。硬派な私(硬派な奴が荘厳なる比叡山や永平寺でナンパするわけないだろうという雑音は無視)としては、多少のお世辞くらいでへこへこと言いなりになるようでは添乗員は勤まりません(売り子の中に若い女性がいなかっただけだろうという声もききますが…)。私なんかに頼るくらいなら、大師さまにご祈願する方が、余程商売繁盛のご利益があると考えるのは私だけでしょうか?

 午後三過ぎに帰路につき、今年最初のバスツアーも無事終了しました。来年は「ご近所で初詣」ツアーでも計画してみましょうか?

                                       (森 本)
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