■ひろたりあん通信旅行版
8月9日〜8月11日
   「『飛鳥』夏祭り・伊東花火クルーズ」
■「納涼」といえば花火
 涼しさを求めて北海道クルーズを催行し、五日間天国のような日々を送ってきましたが、横浜港に着くや否や、身体中から汗が吹き出すほどの暑さに、現実に引き戻されました。

 八月は夏の行楽シーズン真っ盛り。蒸し暑い都会を逃れ、涼しさ求めて海へ山へでかけますが、密かに人気のあるのが夏のクルーズ旅行です。北海道一周や東北三大祭りの青森ねぶた祭りや秋田の竿灯祭りなどの一週間のコースから、横浜の花火大会を飛鳥船上で見てから、三陸や八丈島へ行く二〜三泊のショートコースまであります。

 このように夏に人気があるのは、大きな花火大会や有名な夏祭りと組み合わせたコースです。特に「納涼」という点からいえば、日本人の花火好きは伝統的ともいえ、夏の間中日本列島のいたるところでで花火大会が催されるわけです。私の知り合いに、多摩川べりのマンションに住んでいる者がいて、「自宅の窓からのんびり見る花火は最高だぞ」と自慢するのですが、確かに芋の子を洗うような混雑の中では、納涼気分も吹き飛んでしまいます。

■釣船じゃないんだから
 そこで今回は「飛鳥夏祭り・伊東花火クルーズ」を企画いたしました。伊東花火大会、正式には伊東按針祭海の花火大会は、 写真 伊東海岸の六ヶ所から同時に打上られるので、迫力満点ですが、ネックは混雑するところです。その点クルーズなら、混雑もなく船上からゆったりと眺められるのが魅力だということは、いうまでもありません。

 よく「クルーズ」や「船旅」には誤解や先入観など間違った情報が多いようで、「船は揺れないか」とか(大きな客船は揺れ難いのですが、相手が自然なので絶対とは言えません。ただ釣り船に乗るんじゃないんだから安心です)、「海ばっかり見て退屈しないか」とか(クルーズ客船は乗客に楽しんでもらうのが第一義で、退屈しないようにイベントが盛りだくさんです)、タキシードやロングドレスを着なくてはいけないとか(ごく一部の超豪華客船でない限り、極端にラフな格好でなければ問題ありません)、百人から質問されれば百回同じように答える私です。旅行の情報が氾濫しているご時世にも関わらず、船旅に対する情報が少なすぎるのを実感します。

■「ギャンブラー」には物足りない?
 今回は日頃お仕事に勤しむビジネスマンの方にも参加しやすいように、金曜の夜出発の二泊三日のコースです。まずお昼過ぎにお客様をお迎えし、一路リニューアルした横浜港大桟橋へ、その後お仕事の都合で夕方過ぎないと乗船できない方への配慮で、二回目のお迎え。金曜日の夜横浜港を出港で日曜日の午前中に戻ってくる気軽なコースなので、国際客船ターミナルは小さなお子様連れの若い夫婦の方や、カップルの方も目立ちました。ドレスコードも完全にカジュアルなので、肩肘はらずに参加できるところが受けたようです。

写真  乗船後すぐに恒例のフルコースディナーを堪能したあとは、大ホールにてマジックショーとミュージカルをコラボレーションしたプロダクションショー、あとはカジノやピアノラウンジでのミニコンサートなど盛り沢山のナイトライフを楽しみました。え、今回はカジノはやらないのかって?飛鳥は日本船籍で現金での賭け事が禁止されているのです。海外でカジノの楽しみの味をしめた私としては、少々物足りないような気がします。ただカジノ初心者や、カジノの雰囲気を味わいたい方には、うってつけです。

■「旅行前」が問題
  私の夜の楽しみは二十三時からのお夜食です。フランス料理のフルコースとは相反して、うどんや点心、甘さ控えめのケーキ、そして新鮮なフルーツなど、夕食と味がダブらないように献立が工夫されています。「だから森本さんはダイエットと無縁なのね」いいんです。旅の醍醐味は「食」にあるんです。旅の目的がダイエットなら、どこかお寺へ行って修行僧体験でもされた方が効果がありそうです。それに、私が食べないと他のお客様が遠慮してしまうでしょ?私の食欲と、私の体型を目の当たりにすれば、皆さんが安心して「食」を堪能できる…そんな思いやりの心で無理してでも食べなければいけないんです(きっぱり)。旅先でおいしいものたくさん食べても、一時的に体重は増えますが、しばらくするとちゃんと旅行前の体重に戻ることは私の経験済です。もっとも、旅行前の体重にも問題はあるのですが…。
 飛鳥船上での夜はまだまだ続きます。

■ストーカーはあなたででしょ
 翌日は午後一時に伊東港に到着するまで、船内イベントが盛りだくさん。今回は夏休みでしかも週末出発のコース、子どもさんからお年寄りまでお客様の顔ぶれもさまざまです。幅広い年齢層に対応できるようにとの配慮からでしょうか、イベントの種類が豊富でした。「腹が減っては戦ができぬ」というご先祖の教えを忠実に守る私は、例によってしっかり過ぎるほどの朝食を済ませて、あとは船内の取材に余念がありません。パンフレットでは伝えきれない船上の催し物などを、文章と写真で読者の皆さまに伝え、新しい旅のスタイルを提案したいのです。

 クルーズのイベントの定番といえばビンゴゲームですが、お客様がゲームを楽しんでいる様子を写真で収めていると、司会の女性クルーから「私たちを撮っても仕方ないですよ」と言葉は丁重ながら、きっぱりと写真撮影を控えるように注意を受けたのです。あとから聞いた話ですが、どうやら私はよく世間様(特に若い女性)に煙たがれる「カメラ小僧」と勘違いされたようです。「良い写真を撮るためには枚数を多く撮らないと良い写真かどうか見極められないぞ」と編集キャップの教えを忠実に守ったのが災いしたのでしょうか。「できるだけ近くに寄って、その表情をきちんと写し撮る、そんな写真が読み手をより楽しくさせるんだ」そのとおりにやったのにこのストーカー扱いはどういうことでしょう。「おまえのことだから、どうせローアングルから狙ったんだろう?」そんなこと断じてありません!「その写真ちょっと見せてみな」とよだれを垂らさんばかりのキャップ、あんたがストーカーだってば。

■船上の盆踊り
 昼食後伊東港に到着。日本最大の「飛鳥」は大きすぎて伊東港に着岸できないので沖合に錨泊し、私達はテンダーボートに乗って「伊東マリンタウン」に上陸。伊東は天城山系を背に相模湾沿いに開けた明るい温泉地で、伊豆最大の漁港、伊東港をひかえ朝夕新鮮な魚が水揚げされ、また山の幸はみかん、しいたけ、わさびなど四季を通じて私を…もとい旅行者の胃袋を満足させてくれます。私たちが上陸した伊東マリンタウンは、伊豆の名産品の販売や日帰り温泉が楽しめる複合型観光施設です。伊東をはじめ伊豆方面は「ひろたりあん日帰りバスツアー」でおなじみの観光地で、横浜青葉インターからバスで三時間足らずの場所です。最終のテンダーボートは十七時ですが(乗り遅れると大変なことになります)いつも来ているところなので、早目に引き上げ、船に戻りました。

写真  今夜はいよいよ今回のメインイベント、伊東花火大会です。和食の夕食をとったあとは、船内はすっかり「お祭り」モード。前景気をあおる…というわけでもないでしょうが、船後方のデッキで盆踊り大会がはじまりました。くじ引き、綿アメ、ヨーヨー釣りなど夏祭りの雰囲気いっぱいの演出です。盆踊りは定番の炭坑節から聞いたことのない「イカ踊り」まで、海の上で盆踊りに興じるなんてそうは体験できません。

■バチが当たらないかな
 夜の宴が最高潮に達した頃、待ってました「第五十六回伊東按針祭花火大会」の始まりです。岸の方では夏だというのに「押しくらまんじゅう」道路も大渋滞で非常にお気の毒ですが、私達は潮風に吹かれながら、一万三千発の花火をゆったりとした気分で満喫しました。言葉では表現できない光と音の芸術に、ただ圧倒されるばかり。大きな雷が落ちたと思うくらいの大音響、大迫力の花火が打ち上げられたのにはビックリしました。

 花火大会は滞りなく終了。なかなか混雑がおさまらない様子の対岸を眺めながら、バチが当たらなければいいけど…なんて心配するくらいです。

写真■これも私の仕事です
 船は伊東沖を静かに離れ、一路横浜港へ向かいました。最終日の天気も晴れ。今回も天候にも恵まれ、波も穏やかで快適な三日間が過ごせました。午前十時には横浜港に着岸。これで夏のクルーズ特集も無事終了です。

 さて、いよいよ秋の行楽シーズンを迎えます。夏の暑さは和らぎ、過ごしやすくなりつつある今日この頃ですが、紅葉狩りにハイキング、また美味しいものを食べに(私がもっとも得意とする分野です)と秋の日本は魅力一杯です。便利で快適、そして何よりも楽しい「ひろたりあん旅倶楽部」バス旅行で「秋」を満喫してみてはいかがでしょうか?(営業も私の仕事です)。
                                   (森 本)
▼2002・7・28〜8・1へ

■前に戻る■