■やめてくれませんか
待ちに待った、春の旅行シーズンを迎えることができました。長くて寒〜い冬のシーズンオフ、集客に恵まれず心ならずも冬眠の熊状態だった私、せめて冬に人気のある「いちご狩り」ツアーを、場所を房総にしたり伊豆にしたりと工夫をこらして凌いできましたが、ようやくサヨナラを告げられる季節がやってきました。今年最後のいちご狩りバスツアー「ホテルセンチュリー静岡でのバイキング&いちご狩り」のご案内です。
昨年約二百名の方が参加された好評企画ですが、今回は少しグレードアップです。前回の宿泊旅行でひろたりあん旅倶楽部初見参の豪華バスが、今回の日帰り旅行で再登場します。このバスは『エアロクイーンVIP』。通常四十五名乗り大型バスのスペースを、なんと約半分の二十四席に絞り、飛行機ならビジネスクラス級、新幹線ならグリーン車級の乗り心地、トイレも付いて渋滞の時も安心だし、大型のリクライニングシートで足元も広々、こんな素敵なバスを見逃すなんて、添乗員のプライドが許しません。
「お客様をダシにして、一番快適に過ごしたいのは本当はおまえの方だろう」相変わらずイヤミな上司の苦言。「おまえの体型を見れば、どう考えても通常のバスは窮屈だろうしな」確かにその通りですが、私の身体をなめまわすように見るのはやめてほしいんですが…。
■護衛係はSP級
イヤミな上司とのやりとりはともかく、二日間の設定でご案内したところ両日共に満員御礼状態。当日はお天気に恵まれ東名高速をひた走り、一路静岡の日本平へ向かいました。バス会社の人が「会社の看板となるバスですから、運転手も社内で一番腕利きのドライバーに担当させます」と言っただけあって、これまた運転手さんがなんとも頼もしい。ハンドルさばきはプロをも唸らせる腕前ですが、それ以上に凄いのが強面の顔。ハンドルを握るよりも、鉄パイプや金属バットを握る方が似合う人で(このニュアンスわかります?)、日頃、安全運転を心がけ人一倍責任感を持って仕事しているせいか、マナーの悪い乗用車のドライバーにはとても厳しいのです。だからといって大人ですから、相手を怒鳴ったり、殴ったりはしません。マナーの悪いドライバーの顔をただ普通に見る(睨んでいるのが地顔?)だけで、相手はスゴスゴと退散してしまいます。バスもVIPですが、お客様の『護衛』係もSP級です。
午前中は日本平を観光。富士山や遠く南アルプス連峰までクッキリと見渡せる素晴らしい天気で、お客様に素敵な景観をご提供することができました。しかし「花…もとい山より団子」、皆さんの心は、すでにホテルセンチュリー静岡でのバイキングへと飛んでいっているようです。
■闘う前に討ち死に?
バスはホテルに到着。バイキング会場に入るや否や、私がご案内するまでもなく皆さん一目散に料理台へ。どうしてバイキングって人間の食欲をそそるのでしょうかね?という私も急にお腹が空いてきて、出遅れてなるものか!バイキングの料理台にいざ出陣…、と奮い立つや否や「森本さんのお食事はこちらです」と、冷や水を浴びせられました。そこには、スタッフ専用のカレーライスが…。今年もバイキング制覇を果たすことはできませんでした(涙)。
ランチとデザートのケーキをあとかたもなく食べ尽くして、午後はいちご狩りへ、その途中ガイドさんより「お客様に静岡名産のちょっぴりプレゼントを差し上げます」とのご案内。VIP待遇のバスに乗車しているから一体何のプレゼントかと思いきや、お茶工場に立寄りお茶一袋、わさび工場ではわさび風味のスナック菓子、鮮魚センターでもワカメのパック五袋…。「いやぁ、森本さん本当に『ちょっぴり』プレゼントだね。でもちょっぴりプレゼントも、数集まるとVIP級になるのかな?」さあ…。
■ベッドに早変わり?
さて午後のハイライトと言えるいちご狩り。房総や伊豆のいちご狩りにもご一緒した、旅倶楽部の常連さん方も、今年最後とあって、意気込んでビニールハウスに向かったものの、皆さん思っていたよりも食べることができなかったそうです。食いしん坊集団との誉れ高い、ひろたりあん旅倶楽部のお客様らしくありません。気になって「今年最後のいちご狩りだから感無量で食べられなかったのですか?」「さっきのバイキングでケーキを食べすぎちゃって、あまりお腹にはいらないのよ」どうやら『別腹』も満杯みたいです。「ほんと、牛になりたい気分よ」たしかに胃袋が四つあれば、解決することでしょうが…。
最後に三保の松原を観光。ここには食べるものがないので、ささっと済ませバスに戻り帰路に就きました。お腹一杯の皆様にとって、大型リクライニングシートはすぐにベッドへと早変わりしたようです。
(森 本)
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