■ひろたりあん通信旅行版
6月3日
   「水郷あやめまつりと犬吠崎磯料理」
■苦い思い出が…
 六月に入り、入梅はまだしていないものの、体型的に憂鬱な季節を迎えました。六月ならではのコースといったら「水郷のアヤメ」、今が一番の見頃の時期のはずですが、長年この仕事をしてきて、経験上これだけは言えるのは「花の開花はきまぐれ」だということです。その年の気候状況で、開花時期が毎年大きくずれるのです。かといって、開花を確認してから募集するわけにはいきません。

 水郷のあやめまつりと言えば今から四年前、ひろたりあん旅倶楽部の発足のきっかけになったコースで、お値段は超格安の二九八〇円で、約四百名の方が参加されたコースです。水郷潮来の十二橋めぐりがメインでしたが、六月にもかかわらず熱い一日だったことと、開花状況が悪い上に、連日の晴天続きで、せっかく咲いたアヤメも元気がなく雨を恋焦がれているという風情で、ちょっと期待はずれの感がありました。車中でのバスガイドさんの案内では「十二橋めぐりの舟の船頭さんは、カスリの着物を着た若い女性で、リクエストすれば『潮来花嫁さん』を、優美に櫓を操りながら唄ってくれますよ」のはずだったのに、実際はモーター付きの大きな舟に、おじさんの船頭さんで、少しガッカリしました。『潮来花嫁さん』を唄って、と頼んだら「おれは唄は音痴だからダメ」と言われてしまい、バスガイドさんを恨んだ苦い思い出があります。

■ここはサウナなの?
 それ以来、アヤメや花菖蒲の時期でも、水郷は意識的に避けてきましたが、いつまでも逃げていたのでは添乗員としての面目が立ちません。そこで企画を練り直して今回は同じ水郷でも潮来は避けて千葉の佐原のあやめまつりと、犬吠埼をセットにし「水郷のあやめまつりと犬吠埼磯料理」と題してご案内し、満員御礼で当日迎えました。

 当日は季節はずれの台風一過だったのでお天気に恵まれ、強い日差しが私の心を一層憂鬱にしてくれたのです。東名道、首都高速、レインボーブリッジを渡って、東関東自動車道をひた走り、約三時間半かけて関東最東端の犬吠埼に到着。

 私がバスから降りようとしたらバスガイドさんが「なんで森本さん汗だくなの?」とビックリ。今回利用したバスは、神奈川県には一台しかない好評の豪華バス、エアロクイーンVIP。定員は通常のバスの約半分なので満席になる確率は高く、当然私は補助席に座るのですが、この補助席すらVIP級なのです。一番後ろのトイレの横に設置されたこの補助席、パソコンやFAXの装備があり、私のように忙しいエリート?ビジネスマンにはもってこいです。ただ難点は、背中に給湯器があるので暑いのなんのって…。ひとり私だけサウナ状態なのです。前の方に座っていたお客様が「冷房が効きすぎて寒い」と苦情。「私はとっても暑かったです」「あんたは太っているから暑いんだろ?」確かにその通りなんですが…。私と席を交替差し上げたいと思った次第です。

写真■これも台風被害?
 すでにお昼の時間を回っていましたので、すぐにホテルで磯料理の昼食を堪能。食後は潮風の中を、犬吠埼周辺を散策したり、犬吠埼灯台に登ったり、のどかなひと時を過ごしました。銚子といえば海産物。「この時期は何がおすすめなの」「この時期は岩かきがおすすめです」そういう情報を収集した後、お客様をお土産物屋にご案内。ところがショーケースを見ると岩かきがありません。「すみません、先日の台風の影響で海女さんが漁に出られなかったのです」お客様の白い眼が一斉に私に向けられました。このように、情報をうかつに信じて案内すると墓穴を掘って面目をつぶしてしまいます。これを今回の台風の被害のひとつに加えてもいいのでしょうか?結局天候に左右されない干物を買い込んで、一路水郷あやめまつり会場である佐原市水生植物園へ向かいました。

写真■一番きれいに咲いていたのは…
 四年前、潮来のアヤメが不調だったあと、翌日の朝刊で「佐原市水生植物園のアヤメが満開」の記事を見つけ「なんで最初からここにしなかったんだよ〜」と地団太を踏みました。

 佐原市水生植物園では、アヤメや花菖蒲、カキツバタが市の管理によって育てられているので、あたりはずれが少ないそうです。そう思って決めた水生植物園ですが、肝心の花の咲き具合は二分咲き。やっぱり私はアヤメと相性が悪いんでしょうか?それでも情緒あるサッパ舟に乗られた方も見うけられ、皆さん、それなりに楽しまれたようです。でも、この水生植物園の中に咲いている花菖蒲よりも、正門前の露店で売られている花菖蒲の方が、咲き栄えがきれいだったのが皮肉に思えましたが…。

 お天気に恵まれた一日、東京湾アクアラインからきれいな夕日を眺めながら、いざ横浜へ帰路を急いだのです。


                                         (森 本)
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