■空も私もブルー
三月は添乗の連続で忙しく、前回の旅行記を手抜きしたと罵られ、なおかつ、
無責任男呼ばわりされ毎日身を削る思い(体型はなかなか細くならないのですが)で仕事をしている
私ですが、今回は気合を入れて旅行記を書かせていただきます。
当日は絶好の行楽日和でしたが、バスが東名道を入るや否や大渋滞!春のまぶしい青空の下、
私の周りだけ暗雲が立ちこめ、少々ブルーな気持ちになりました。
偕楽園では「梅まつり」の真っ最中でしたが、あと十日で「梅まつり」は終了するというのに、
花は七分咲き。これは今年の気候のせいで、決して私が「低気圧」だからではないんだと
自分に言い聞かせました。
広い園内は梅の花の香りがほのかに漂い、ぽかぽか陽気に包まれ、
皆さん思い思いに散策を楽しまれていた様子です。しかしお昼が近づくにつれ、梅の香りよりも、
屋台の「たこ焼」の香りの方が気になりはじめたのは私だけでしょうか、
急ぐように、次の訪問先「益子焼窯元」へと向かいました。
益子町最大規模の窯元「つかもと」で釜めし定食を用意しました。
長野行新幹線開通前、横川駅の名物だった「峠の釜めし」の容器の窯元がこの「つかもと」です。
そんな縁のある釜めしは味も「峠の釜めし」そのままで、特に女性の方には好評でした。
昼食のあとは、陶器などのショッピング、時間が足りなくなるほど豊富な品々がところ狭しと
並んでいました。
■料金は「前金」制です
陶器の町益子は、いちごの町としての一面もあり、春のいちご狩りは旅行企画者としては
外せません。そのいちご団地へ向かう途中、高さ約十五mもある大きな益子焼のたぬきが
そびえ立っていました。「たぬき」は「商売繁盛」の象徴です。
大きな眼は「鋭い洞察力」を意味し、腹は「腹黒くなく、潔白に」を表し、
いつも取引先には「前金」制で、お金の「袋」は大きくということだそうです。
あるお客様に「森本さんにそっくりね」といわれましたが、案の定「体型だけ」だそうです。
「体型だけですか?」と不服を述べると「そうね、あと旅行代の前金も当ってるわね」と
久々のカウンターパンチに声も出ませんでした。
■栃木は寒い?
いちご団地は約百棟のビニールハウスが立ち並んで壮観でした。同じくお世話係のK課長が
「いちご狩りは1号車のバスのお客様が優先だな」と言うので、「?」
すると「いちご(1号)車だから」と相変わらずのオヤジギャグが炸裂し、
春だというのにさすがに栃木は寒いなあと感じていた私を、更に震わせてくれました。
益子のいちごは「女峰」で、もちろん食べ放題。ミルクなしでも非常に甘く、
とても好評だったにも関わらず、後でお客様にたずねると「二、三十個くらいしか食べなかったわよ」
と言うのです。おかしいなあ、残ったヘタの数はゆうに五、六十個はあったはずだけど…と
不思議に思っていたら、「私たちは年齢の数だけしか食べないわよ」ですって。
それで納得しました。確かに残されたヘタの数と、皆さんの年齢は一致していたように思います。
すると「森本さん、俺百個食った」と後ろから自慢げな声が。
この方は先日「沖縄旅行」にも参加された常連Nさんのご主人で、もちろん百歳ではありません。
「ひろたりあんバス旅行」のムードメーカー的存在で、私としては感謝状を贈りたいほど、
ありがたいお客様。さすが旅上手なNさん、いちごで十(百)分に旅行代の元は取ったようです。
■課長、勉強になりました
最後は「外池酒造」で工場見学。皆さん、お酒の製造行程よりも「試飲」の方がお目当てで、
今回もK課長が「密着サービス」と称し、一升ビン片手にお酌をしてまわっていました。
お客様を酔わせてどうするのと思いましたが「これから四時間もバスに乗るのだし、
渋滞の煩わしさも熟睡すれば気にならないだろう」との信念で、広いおでこをテカテカ光らせ、
お客様の間を蝶(蛾?)のようにひらひら舞うK課長、彼のオヤジギャクもお客様の世代には
受けるみたいで、和やかな雰囲気が漂い、そのサービス精神にすっかり脱毛(課長すみません)
いや脱帽した次第です。 (森 本)
|
|